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DJI SparkとMavicAir 空撮写真用入門ならどちら?

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DJISpark vs MavicAir

空撮写真を撮影したいと考え、この記事を読んでいるあなたはドローンによる空撮の入門機としてDJIのSparkとMavicAirのいずれかで迷っているものかと思います。

単純に性能や機能面で比較した場合、通信距離や飛行時間、画質などほぼ全ての面において後発のMavic Airが良いのは確かです。

しかし、Sparkも一般的なドローンの中では高性能な部類で、用途を絞れば十分な機能を備えており、何よりも価格が安いことによる敷居の低さも魅力です。

今回は空撮に興味の持ったあなたに、どちらの機体を導入すると良いのかを考えてみたいと思います。

 

 

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スペックから比較するSparkとMavicAir

まずはSparkとMavicAirのスペックを比較してみましょう。

ポイントとなりそうなところにマーカーをいれてみました。

Mavic Air Spark
価格
(フライモアキット)
104,000円(129,000円) 54,800円(72,800円)
本体重量 430g 300g
収納時のサイズ 長さ168×幅83×高さ49 mm 長さ143×幅143×高さ55 mm
飛行時のサイズ 長さ168×幅184×高さ64 mm 長さ143×幅143×高さ55 mm
対角寸法 213 mm 170mm
最大速度 68.4 km/h (Sモード) 50 km/h (Sモード)
最大伝送距離
(国内)
4,000m(2,000m) 2,000m(500m)
最大飛行時間 21分 16分
内部ストレージ 8GB なし
ジンバル 3軸 2軸+電子式映像ブレ補正
ジンバルピッチ
(操作可動域)
-90~0°(デフォルト値)
-90~+17°(延長時)
-85~0°
カメラセンサー 1/2.3CMOSセンサー 1/2.3CMOSセンサー
有効画素数 1,200万画素 1,200万画素
レンズ焦点距離 24mm 25mm
レンズ絞り f/2.8(固定) f/2.6(固定)
ISOレンジ 100〜3200 100〜3200
シャッター速度 電子シャッター
8s〜1/8000秒
電子シャッター
2s〜1/8000秒
静止画サイズ 4056×3040 3968×2976
動画解像度(最大) 4K Ultra HD:3840×2160 30p FHD: 1920×1080 30p
FHD:1920×1080 120p
(スローモーション)
最大ビデオビットレート 100 Mbps 24 Mbps
写真フォーマット JPEG / DNG(RAW) JPEG
動画フォーマット MP4/MOV MP4
静止画撮影モード ・シングルショット
・HDR
・バーストショット:3/5/7枚
・オート露出ブラケット (AEB):
3/5枚 (0.7EVステップ)
・インターバル:2/3/5/7/10/15/20/30/60 秒
・パノラマ:
3×1:42°×78°、2048×3712 (W×H)
3×3:119°×78°、 4096×2688 (W×H)
180°:251°×88°、6144×2048 (W×H)
スフィア (3×8+1):8192×4096 (W×H)
・シングルショット
・バーストショット: 3枚
・オート露出ブラケット (AEB): 3枚 (0.7EVステップ)
・インターバル: 2/3/5/7/10/15/20/30/60s
・ShallowFocus (シャロー・フォーカス)

 

 

SparkとMavicAirの持ち運び時のサイズ感

軽量コンパクトがウリのSparkですが、スペックの通り収納時のサイズはMavicAirの方がよりコンパクトに収まります。

MavicAir(折りたたみ時) 168mm×83mm×49 mm 430g
Spark(折りたたみ時) 143mm×143mm×55 mm 300g

Sparkはプロペラのみを折りたたんで収納する形ですが、MavicAirは脚部ごと本体に添えるように折りたたみます。サイズは大型のスマホと同等の面積で厚みを持たせたような感じと説明されることが多いですね。

少し年齢が高めの方でも分かりやすいよう、少し古い物で例えると、VHSのビデオテープを2枚重ねて縦横を20mm削った感じ。もしくはPSP(PlayStation Portable) を2枚重ねた感じですね。
PSPの場合重さも2個分で同じくらいです。

VHSテープ 188mm×102mm×24mm
PSP(PlayStation Portable)  170mm×74mm×23mm 189g
MavicAir(折りたたみ時) 168mm×83mm×49 mm 430g
Spark(折りたたみ時) 143mm×143mm×55 mm 300g

ちなみに取り出してすぐにフライトさせることができるのは、ローター(プロペラ)のみが折りたたみになっているSparkの方です。日常的に持ち運びちょっと出して飛ばすには便利です。

ただし、プロポ(送信機)のスティックが外れなかったり、正方形の形状でバッグの中では地味に場所を取るため、旅行やトレッキングなどではMavicAirの方がオススメです。

 

SparkとMavicAirを実際に操縦した際の差

スポーツモードでの速度などは特にスペックにマーカーをいれていませんが、当然MavicAirの方が優れています。

とはいえ、一般的な空撮の際には全開で飛ばすことはありませんので、申請なしで行える飛行である「日中・目視範囲(高度100程度で距離150~300m程度)」の運用であれば、Sparkもあまり否定的に考えなくても大丈夫です。

微風までの環境で目視内での飛行であれば問題なく使用できますので、セルフィーや百メートル前後でのドローンの映像表現を考える範囲では大きな問題が出ることはないでしょう。

ただ、ドローンの操作に慣れ、それ以上の距離をとなった場合、数値上の伝送距離などは大きな差がないように見えますが、実際にフライトされてみるとSparkの方が遠距離を飛行中に自動的にリターントゥホームが起動したり、映像が途切れたりすることがある傾向があるようです。

また、MavicAirもラダー操作(旋回)時にスムーズに操縦するのが難しい傾向があるのですが、Sparkでは回転移動や横移動を伴うクレーンショットを行う場合にジンバルが2軸であるせいか、よりスムーズに撮影するのが難しいと感じるかもしれません。

より本格的な使用を考えた場合にはこの差が明確になりますので、将来的により広範囲の空撮、4Kでの編集なども考えているのであれば、多少高額になってもMavicAirをオススメします。

ただ、ちょっとした日常の記録やブログ用の映像程度なら、コスパ的にはsparkも捨てがたいです。

 

SparkとMavicAir写真の画質とフォーマットの違い

SparkとMavicAirで大きな違いとなるのは、写真撮影であれば実際に撮影される映像の安定性や現像作業を前提とした場合のRAW(DNG)撮影が可能であること。

また、動画撮影であれば4Kの解像度に対応すること、D-Cinelikeというカラーグレーディングを前提とした設定が可能なことです。これは本格的な動画編集の際に効果が現れます。

ドローンで撮影した写真をスマホやデジカメで撮影したJPEGのように、そのまま利用したいという方なら、Sparkも十分に満足できる写真を撮影することができます。

オート露出ブラケット (AEB)の0.7EVステップで3枚露出が可能ですので、飛行中に露出の設定に迷った場合にもAEブラケットで撮影し、フライト終了後に選択することもできます。

「そこそこ高画質な1200万画素の単焦点コンデジを、有視界範囲で自由に飛ばすことができる」と考えて支障ありません。

こちらは薄曇り日の午後に撮影したテスト画像ですが、このようなフラットな順光撮影であれあれば、上の比較写真のように大きな差はありません。

JPEG側はドローンMavicAirで撮って出ししたもの。RAWはMavicAirで撮影してLightroomでそのまま書き出したものです。RAW側は設定を特にパラメーターを変更せずJPEGに出力した為、少し暗く赤みがかっていますが色温度をセットすれば修正可能です。

 

 

RAWファイルとJPEGファイルの差とは

RAWとJPEGの差についてここで説明するべきではないかもしれませんが、少し触れておきます。

RAWファイルはカメラのセンサーが捉えたデータを全て記録してあるファイルです。他の画像形式(例えばJPEG)はこのデータをもとに現像パラメータを反映させて写真を書き出したものです。素材となるデータのため色味やシャープネスなどのパラメーターはフラットになっています。

不要と思われる階調のデータも残しているため、データ量は非常に大きくなるものの一見すると無駄に見えるシャドウ部分の階調もしっかり残っているという点が強みです。

なお、RAWに限らず画像の精細さは解像度(画素数)に依存しますが、階調・色数(トーン)は保存するRAWデータのビットレート(情報量)に依存します。

対するJPEGファイルは非可逆圧縮と言って、ファイルのデータ容量を小さくするために、人間が再生している写真を見た際に気にならない領域のデータを見切って捨てることで、データを扱いやすくするフォーマットです。

カメラからの撮って出しJPEGで保存するという設定は、カメラ側の「ビビッド」「ナチュラル」「ハイコントラスト」などのプリセットによってカメラが現像したデータをJPEGに書き出して保存し、同時にRAWを捨てたという状態にすぎません。

しかし、RAWであればセンサーが捉えた情報を全て保存しているため、撮影時に記録されている階調の情報を全て活用して作品を作ることが可能であることから、将来的に現像ソフトの性能が向上すれば現在以上のクオリティで過去の作品をブラッシュアップしたりすることも可能です。

JPEGは写真ファイルのデータ容量は小さくなりますが、白トビしてしまったハイライト部分や暗所のシャドウ部分はほとんど破棄されてしまうため復元することが難しくなっています。

 

逆光時に撮影したJPEGファイルとDNG(RAW)をAdobe Lightroomの自動補正で調整した画像の比較です。

撮って出しのJPEGでは、地表が黒くツブれるほどアンダーで撮影しているにも関わらず、太陽の周囲の階調は大きく失われています。

 

こちらは地表のディテールが残る程度に露出をプラスして撮影したものです。先ほどとは逆に空の大部分が白飛びしており、あとでハイライトを下げる補正を行なってもほとんど階調がもどりません。

本来RAW現像は露出失敗のリカバリーの為の機能ではなく、表現としての細かくパラメーターを設定することもできことが強みで、写真家の個性を盛り込むことが可能です。
JPEG撮影では不可能なトビや飽和した部分の修正にも耐性があるため、より目で見た景色に近い画像を作り出すことができます。

逆に絵画やCGのような表現も可能なため、一部の写真ユーザーからは否定的な意見もあるものの、すでにPhotoshopやLightroomなどでのRAW現像に親しんでいる方なら、ある程度までなら機材の差を埋めることが可能であることも魅力です。

 

 

価格から見るSparkとMavicAir

ドローン業者の運営する多くのメディアなどでは、この2機の比較では圧倒的にMavicAirが支持されています。さらに上位となるmavic2 Proを薦める記事も多いです。

機能的に見れば確かに上位クラスの機体を買っておいた方が満足できると思います。

ただ、空撮と言ってもいきなりプロになって仕事を取れるわけではありませんし、何をどのように撮影したいのかはユーザーによって大きく異なります。

実際に空撮を続けていくか分からない状態の方やこれから始める方なら、何も最高クラスの性能を必要とするわけではありません。

例えば車でも500〜600万円支払ってクラウンやアルファードを購入すれば、所有する喜びも含めて満足度は高いでしょう。
ただ、100〜200万円でヴィッツを購入しても、足としては十分満足できる方も少なくありません。

車も大きくて高級な車ほど、購入金額、保険金や税金は上がっていきます。

ドローンも同じように上位クラスにする場合、spark→MavicAir→Mavic2Proと購入金額は倍々と跳ね上がります。万が一の墜落の際の精神的なダメージも大きくなることでしょう。
また、安心のために機体保険などに加入したい場合、高額な機体ほど保険料はアップします。

10万円差を安いと考えられるなら、サイズ優先ならMavicAir。画質や飛行距離優先ならPhantom4PROやMavic2Proが正解とはいえ、1年から2年するとより高性能な機体が登場するのは間違いないため、とりあえず sparkを1年使用してみて、手応えを感じてたら翌年に上位機種の新型を購入する。というのもある意味正解ですし。

MavicAirを購入して、必要となれば上位機種を購入し、MavicAirはサブ機として使用するのも良い選択です。

どちらにせよドローンを使わなければ、絶対に撮影できない写真があるのは間違い無いのですから。まずは使用したい「目的」とドローンやその周辺機器に使用できる「予算」を決めておくと決断しやすいと思います。

 

 

 

まとめ 使用用途から考えるSparkとMavicAir

spark or mavicair

いくつかの視点で見てきたSparkとMavicAirですが、あなたはどちらのドローンが欲しいのかわかりましたか。

基本的にMavicAirはSparkが可能なことは問題なく行うことができます。

唯一できないのは「ShallowFocus (シャロー・フォーカス)」と呼ばれる被写界深度を表現する撮影方法です。これはSNSで背景をぼかした空撮写真をシェアしたい場合などに使える機能です。

あなたがトイドローンで空撮の面白さを覚え、より本格的な画質の写真や動画が欲しいというユーザーにはスパークが向いています。

また、スマホで日常を切り取るスナップ写真のような使い方のユーザーにもコンパクトなサイズと購入しやすい価格で気兼ねなく使うことができます。

対するMavicAirは初心者用やライトユーザーがターゲットではありますが、あらかじめ本格的な空撮を念頭においたクリエイティブなユーザー向けのドローンです。

伝送方式にOcusync(オキュシンク)が採用されなかったため、電信の安定性は上位のMavicProには劣りますが、撮影できる画質でいうと初代MavicProに勝る部分もあり、かなり高度なクリエイティブに使用することができます。

また、DJIのドローンの中では最もコンパクトなサイズに収めることができ、価格も10万円代の前半に収まっています。

空撮を本格的に始めたい方で何とか10万円程度までなら予算を組めるといったユーザーや、高額のドローンを墜落させるのが怖い方。マイクロフォーサーズのミラーレスカメラのようにハンドリング性能を重視したドローンが欲しい方には非常に強力な機材と言えるでしょう。

あなたが空撮写真や動画に何を求めているのかがわかれば、購入すべき入門機はおのずと確定するはずです。

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