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ドローンのプロポってなに?コントローラーや送信機じゃないの

ドローン送信機(プロポ)

あなたはプロポとは何かをご存知ですか。

MavicやPhantomなど空撮ドローンをラジコン好きの方と話していると、「プロポ」という言葉をよく耳にします。
ドローンを趣味としている方でも、ラジコンの延長でドローンに興味を持ったり、仲間が多くベテランのマルチコプターやヘリのラジコン操縦者が師匠の方だったりすれば普通に聞いて馴染んでいる。一般的にラジコンのコントローラーを指す単語です。

しかし、ラジコンに興味のない女性や世代の違う方からは「プロポってなんですか?」という言葉がでることも珍しくありません。

また、見た目は同じようなコントローラーでも、プロポではないコントローラーもあるのはご存知ですか。

今回はドローンのコントローラーの呼びかた「プロポ」の語源などについて書いていきたいと思います。

 

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ドローンやラジコンのプロポの語源とは何か

Telloとゲームパッド

ホビーラジコン界隈では機体を操作するコントローラー兼、送信機のことを一般的に「プロポ」と呼ぶびます。
ドローンについて説明している書籍やメディアでも、「プロポと呼ばれるコントローラー」や「コントローラーはプロポと言います」と言った感じで書かれる事も多いのですが、説明として少し乱暴な印象を受けます。

確かに大雑把に捉えると「コントローラー(操縦機)」=「送信機」=「プロポ」と理解していただいても、ほぼ間違いはありません。
厳密にいうと「プロポ」とはラジコンの送信機の通称として使われているのですが、本来は「プロポーショナル・システム」の省略語で正式名称ではありません。

ただ、「プロポーショナル・システム」という正式名称は知らない方も多いようです。

自称中級以上のドローンユーザーや商用ドローンスクールの指導者の方の一部には、「プロポも知らないヤツはドローンやめろ」なんてキツイことをいう方もいます。
ただ、そういう方でも意外と「プロポーショナル・システム」という名称や名前の由来までは知らない方もいたりします。
先にも書いたように「プロポと呼ばれるコントローラー」や「コントローラーはプロポと言います」で覚えたは「プロポ」=「コントローラー」の名詞として認識しており、「プロポーショナル・システム」→省略→「プロポ」とは習っていないからだと思われます。

また、コントローラーをプロポと呼ぶことが常識と思っている方が多いのですが、それはあくまで日本国内の話です。

スマートフォンをスマホ、フューチャーフォンをガラケー、スノーボードをスノボ、パーソナルコンピューターをパソコンと呼ぶようなもので、カタカナ英語を省略した和製英語ですので、まず、日本のサブカルチャーが好きでもない限り、海外のドローンユーザーには通じません。

例えばスノーボードも本来は「スノボと言われる板を使ってするスポーツ」ではなく「サーフボードに似たボードに乗って雪上を滑るスポーツをスノーボードと呼び、日本ではスノボと略されて呼ばれることが多くその名称が普及した」が正解なのです。

ちなみに海外のラジコン&ドローンユーザーとのやり取りでは「transmitter(トランスミッター)」や「PROPORTIONAL CONTROLLER(プロポーショナルコントローラー)」で通じるようです。なお、コントローラーに取り付けるスマートフォンについてはそのまま「smartphone」で通じます。

ちなみにtransmitter(トランスミッター)は直訳すると送信機ですので、車のラジオに音楽を送信する「FMトランスミッター」でもおなじみですので、日本人でもわかりやすいですね。

 

プロポーショナル・システムとはプロポではないコントローラーもある

プロポーショナル・システムとは本来、コントローラーや送信機のことではなく「操縦装置の仕組み」を示すもので、「操作した時間と同時に舵の動作も行う比例動作の装置」として「プロポーショナル=比例する」という言葉を元ということから名付けられた呼称です。

ドローンを始め、プロポーショナル・システムを採用したラジコンのシステムは「操作した時間と同時に舵の動作も行う比例動作」となるため、「ゆっくりと加速しながら徐々に最高速に変化させる」、「ほんの少しだけ舵を切る」、「ゆっくりと高度を下げる」のように「より繊細で複雑な操作」が可能です。

プロポーショナル・システムを採用することでラジコンカーであれば、「減速しながらヘアピンコーナーに侵入、中間加速でコーナーを曲がり始めて、クリッピングポイントを抜けたら最大加速」のような実際の車のような制御が可能になります。

ドローンの空撮などでも「ノーズインサークルで描く円弧の調整」や「低速で飛行しながら目標物を捉えたら一気に高度を上げる」といった細やかな制御はプロポーショナル・システムだからこそ可能となるのです。

例えば上はトイドローンのDJI Telloをスマートフォンで操作した際の画面ですが、最大上昇と緩やかに後退が指定されています。
小さな円の中にある小さな◯が入力方向。外周にある赤と緑の弧が入力量で赤が多い緑が緩やかな入力を示します。

この場合、ドローンの機体は下の写真のように一気に高度を上げつつ、緩やかに後退します。

赤の▲が上への入力、緑の▲が後ろへの入力です。
Telloに搭載されたEZショット(ワンタップによる自動撮影)の「Up & Away」を手動で行うイメージですね。

この動きも比例動作ができないコントロールシステムでは一定の角度でしか上昇できませんが、プロポーショナル・システムであれば入力量に応じて上昇角を調整したり、操縦技術さえあれば螺旋を描きながら徐々に広がりつつ上昇するといった精密な操作も可能となります。

そう言った意味ではスマートフォンもプロポと呼べてしまうのですが、通常は物理的なジョイスティックを備えたコントローラーのみをプロポと呼ぶのが通例です。

ここまで書いていくと勘の良い方は気がついていると思いますが、プロポーショナル・システムではないラジコンの無線コントローラーも存在します。

例えば安価な車のラジコンなどでは、一見すると本格的なラジコンと同じようなジョイスティックが装備された無線式コントローラーを採用していても、前後左右の入力に対してオンかオフの制御しかされておらず、「一定の力で発進・後退をする」「一定の舵角でタイヤを傾けて舵を切る」など、チャンネル分のオン・オフいずれかの動きにしか対応しません。

一見、馴染みのある2本のジョイスティックがついたコントローラーであっても、そういったコントローラーはプロポとは呼べないことになります。

 

最後に

あなたはプロポの語源をご存知でしたでしょうか。
日常的に読んでいるプロポですが、実はラジコンやドローンの制御装置としては非常に重要であることが理解いただけたと思います。

ジェスチャーコントロールなども実用レベルとなってきましたが、物理的なジョイスティックと比例制御でなければ、まだまだ空撮用のドローンを自在にコントロールすることができません。

また、機体のバッテリーについてはの充電は気にして行うことが多いものの、以外にプロポのバッテリー充電にいついては忘れがちです。
機体の手入れだけではなく、日常からのプロポのお手入れは忘れないようにしていきたいですね。

 

 

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