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あなたはマクロ・クローズアップ撮影の世界を知っていますか?
風景写真の撮影を中心に活動していると、どうしても「もっと綺麗な場所、広大で雄大な自然を撮影したい」と考えてしまいます。
どうしても内側や身近な景色ではなく、外への欲求が優ってしまうんですね。
2020年の春に始まった新型コロナウイルスによる外出自粛も然り。
毎年やってくる長い梅雨などで屋外の撮影ができず、悶々とされている方も少なくないと思います。
そんな時には発想を転換して、普段は目を向けることのなかった小さな世界に注目してみませんか。
今回は身近な機材に少しアクセサリーを加えるだけで自宅でもチャレンジできる。マクロ・クローズアップ撮影の方法を取り上げてみたいと思います。
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マクロ・クローズアップ撮影とは
マクロ撮影とは小さな被写体や被写体の特定部位を大きくクローズアップして撮影する撮影のことです。
語源はギリシア語で「長い」「大きい」という意味からきています。
写真のマクロ撮影を厳密に表現すると、「センサー(フィルム)で等倍またはそれ以上に解像した撮影をマクロ」、それ以下はマクロでは無く「クローズアップ」と分類することが多いようです。
そう言った意味では今回の記事の内容は「等倍に満たないものはマクロと呼ばずクローズアップ」と詳しい先生方からお叱りを受けるかもしれませんが、とりあえずマクロ・クローズアップの入門という位置付け、楽しんでいきましょう。
初心者の方はマクロ撮影というと、専用のマクロレンズが必要で敷居が高いと思っている方も多いことかと思います。
確かに一般的なレンズはピントを合わせるためにはレンズ(正確にはイメージセンサー)からある程度の距離を開ける必要があります。
対してマクロレンズではピントを合わせる事ができるイメージセンサーからの最短距離(最短撮影距離)が通常のレンズに比べて近く、最短撮影距離付近から、高画質を得られるような設計になっています。
そのためマクロレンズは撮影する被写体をイメージセンサー(撮影素子)に投影した際、1/2から実物大サイズで撮影することができるようになっており、小さな被写体をより大きく撮影することができるのです。
ボケや「質感の解像力」など、少しでも高画質にこだわっていくのであれば、マクロレンズの購入は回避できないものになってきます。
しかし、「ある程度の画質を確保できれば良い。」「普段はマクロは使用しないがたまに撮りたいときがある。」ということであれば、気軽に装備して接写が可能になる「クローズアップレンズ」を試してみることをお勧めします。
クローズアップレンズとは
レンズの前面に装着することで、マクロレンズではない通常レンズ。
単焦点・ズームを問わず手軽にマクロ撮影ができるようになるネジ込み式フィルタータイプのレンズアクセサリーです。
元のレンズ(マスターレンズと呼ばれることも)に設定されている「最短撮影距離(被写体にピントが合う一番短い距離)」よりも、さらに被写体に近づいて大きく撮ることができます。
ものすごく簡単にいうと、「レンズにつける虫めがね」です。
クローズアップレンズは主にレンズフィルターを扱うアクセサリーメーカーから販売されており、有名なところでは「ケンコー・トキナー」、「マルミ光機」、「ハクバ」などがあります。
格安で入手するなら 「NEEWER」や「K&F Consept」などの中国系カメラ用品メーカー。
高品質で解像力にこだわるなら、最近ではプロも愛用する角形フィルターブランドとして有名になった「NiSi」などが挙げられます。
クローズアップレンズのメリット
・マクロレンズの購入に比べて非常に安価に導入できる。
・重ねて装備すると効果をアップできる。
・紛失や破損時にもコスト的な損失が少ない。
・NDやPL、UVカットなどのレンズフィルターとサイズ重量ともに同じで持ち運びも楽。
クローズアップレンズのデメリット
・基本的にレンズの先端のフィルター用ネジに装備するため、「ネジの溝がないレンズ」や「前玉が凸になっているフィルターが装備できないレンズ」には装備できない。
・解像感や描写能力がマスターレンズに依存する。
・フィルターの品質により画質が低下する。
・ピントの合う幅が接写に固定される(フィルターを外さなければ接写しかできない)。
・各レンズごとの使用感などレビュー情報は少ない。
・クローズアップレンズのナンバーごとに撮影可能距離の差があり、高画質にこだわると結果的にマクロレンズより高価になることに注意。
実際に用意するもの
用意するものは3つ
- 中望遠以上のレンズ(標準ズームでOK)
- クローズアップレンズ(3〜5番がおすすめ)
- できれば三脚(手持ちでも可)
実際に今回使用したのは下記の通りです。
レンズ「G VARIO 14-45mm/F3.5-5.6 ASPH/MEGA O.I.S」
今回はお手軽マクロということで、特に高価なレンズを使用せず手持ちの標準ズーム(エントリークラスのキットレンズ)を使ってみます。
用意したのはパナソニックのマイクロフォーサーズ標準ズームレンズ「G VARIO 14-45mm/F3.5-5.6 ASPH/MEGA O.I.S」。
35mm判換算では焦点距離28~90mmの標準ズームレンズ。
ちなみにこのレンズは「GF1」や「GH1」という初期のマイクロフォーサーズ規格レンズで、パナソニック製ミラーレスカメラに付属した2008年発表のキットレンズ。
すでに販売終了になって久しく、現在では中古価格1万円以下と安価に手に入る標準ズームレンズです。
特徴は突出した能力はないものの、安価なレンズでありながら全域で比較的良い描写をしてくれること。
最近の交換レンズとしては珍しく、純国産のレンズであったりします。
比較的大きく太いレンズなため、ズームリングなどの操作性は新型のコンパクトな標準ズームよりも個人的に好きです。
欠点はこのクラスのレンズとしては重量があり、ワイド端が14mm(28mm相当)で少しワイドが足りないと感じることが多いこと。
単写で撮影するには良いのですが、当時はミラーレスで高速連写することなどは考えられていなかったせいか、最新のカメラを使っても被写体に追従させる連写性能などは不利ではあります。
興味がある方向けにリンクを貼っておきますが、お手持ちのズームがあるのであれば、あえて探して購入しなくても大丈夫です。
G VARIO 14-45mm/F3.5-5.6 ASPH/MEGA O.I.Sのスペック:
■レンズ構成=9群12枚
■最短撮影距離=0.3m
■最大撮影倍率=0.17x(35mm判換算:0.34x)
■フィルター径=φ52mm
■大きさ(最大径×長さ)=φ60mm×約60mm
■質量=195g
パナソニック 標準ズームレンズ マイクロフォーサーズ用 ルミックス G VARIO 14-45mm/F3.5-5.6 ASPH/MEGA O...
クローズアップレンズ「マルミ光機 クローズアップフィルター クローズアップレンズMC+4」
駅前の大手カメラ店などのフィルター売り場の隅のワゴンセールで1000円くらいで売っているものと同じ、国産メーカーの普及価格帯クローズアップレンズ。
E-M5のキットレンズM.ZUIKO DIGITAL ED 12-50mm F3.5-6.3 EZを使用していた際、個人的にマクロに興味を持って購入したものです。
MCはマルチコートレンズで1枚のレンズであることを示し、番号は接写時の距離のナンバリングを表します。
AC表記のアクロマート1群2枚レンズのクローズアップレンズの方が色収差などが補正されて画質が優れます。
今から買うのであれば、入手しやすいケンコー・トキナーさんのMCかAC「クローズアップレンズ」がおすすめ。
ちなみにクローズアップレンズにはナンバーが設定されており、「番号が多い方が被写体に接近できる」という点を覚えておきましょう。
ACクローズアップレンズの場合、No.1からNo.10まであります。
番号によってピントの合う距離が違いますので、使用するマスターレンズの最短撮影距離よりも短い距離で撮影できる番号を選択しましょう。
高画質を求めるマクロ本気勢の方にはルチナノメーターコーティングされた双光学補正ガラスを採用する、NiSiさんのクローズアップレンズもあります。
ただ、流石に1万円を超える価格になると、お手軽には購入できませんのでマクロレンズと並行して本格的な撮影を考える際に買った方が良いのではと思われます。
なお、各レンズに使用できる円形フィルターの径(サイズ)は決まっているので、レンズにあったものを用意しましょう。
色々なレンズで使用してみたい方は最も径の大きなレンズに合わせて購入し、ステップアップリングを噛ませて調整すると無駄がありません。。
K&F Concept ®アダプターリング+ステップダウンリング 18枚1セット ステップアップリング 37-49mm 49-52mm ...
三脚
使用するカメラをしっかり固定できるモデルであれば、特に指定はありません。
もちろん屋外のように撮影する環境が十分に光量があり、手ぶれ補正の強力なカメラを使用しているのであれば無くても撮影できるケースもあります。
ただ、ピントを細かく調整したいときなどには、手持ちでは慣れとコツが必要なので、とりあえず三脚はあった方が良いでしょう。
今回はSLIK AMT PRO 340DXの3WAY雲台を適当なアルカスイス互換自由雲台に載せ替えたものを使用。
テーブルなどで撮影するならミニ三脚があると便利ですね。
SNSなどでも見栄えがよく、人気があるのはイタリアのマンフロットさんのミニ三脚ですね。
私も時々読んでいるガジェット系やフォトブロガーさんたちも紹介しています。
私自身はSLIKのプロミニを使っています。
実際に撮影してみる
被写体は4月ごろから自宅の庭で大量に咲いているアルストロメリア(ユリズイセン科)の花を使ってみました。
実際に試してみるのであれば私のように適当な花でも良いですし、貴金属やジュエリー類、プラモデルやフィギュアなどでも良いです。
もちろん昆虫なども撮影できますが、虫メガネと同じでピントの合わせられる幅が極端に浅くなるため、動くものに素早くピントを合わせるのは難易度が高めです。
セッティング
撮影のセッティングはレフ板やLEDパネル、オフストロボなどでライティングしても面白いのですが、今回はシンプルに窓辺の自然光のみで撮っていきます。
ちなみにピント位置は蘂(しべ)の部分で設定しました。
まずはマスターレンズ「G VARIO 14-45mm/F3.5-5.6 ASPH/MEGA O.I.S」のみでの撮影。
基本はMFでピントを最も接写にしておき、最短撮影距離を探ります。
スペック通りであれば、センサー面から30cmほどの距離です。
ボディの上部付近に「Φ」のようなマークがあるので、そのポイントがセンサーのある位置です。
撮影手順は
- カメラのモードは「マニュアル(M)」か絞り優先(AもしくはAvモード)
- 絞りは開放(一番小さな数値に)このレンズの場合はF3.5〜F5.6
- ISOはAUTO、露出時間はAUTOもしくは任意で。
- ズームリングを望遠側にしてフォーカスリングをMFで最短に合わせる
- 最短撮影距離付近にカメラをセットしピントが合う位置を探る
- フォーカスリングで微調整する
という順番が無難です。
ちなみにボケの量は実際に撮影した後に絞り(F値)を変更すればOKです。
実際にG VARIO 14-45mm/F3.5-5.6 ASPH/MEGA O.I.S単体で撮影した最短撮影距離の写真がこちらです。
最短撮影距離で接写することが目的ですので、特に構図を意識して撮影していません。
ちなみに望遠撮影で最短撮影距離ということもあり、F5.6の格安中古キットレンズでもちゃんと背景は適度にボケています。
どうしても情報に振り回されやすい方はWEB上の情報をみて、「キットレンズはダメ」と一概に思い込んでいることが多いようです。
これはこれで悪くないと思いますよ。
それではいよいよマスターレンズの前方にクローズアップレンズを装備し、カメラをセッティングしていきます。
装備すると言ってもプロテクトフィルターやPLフィルターのようにねじ込むだけです。
最短撮影距離が変更されるため、先程の手順の5のところでカメラを前後させてピントの山を探ります。
クローズアップレンズのスペックを確認すると、ナンバーごとにおまかな距離が記載されているので参考にしましょう。
カメラ位置を合わせて、セッティングが完了しました。
最短撮影距離は約20cm。約10cm短くなっています。
クローズアップリング装備後はピントを合わせることができる幅が接写のみとなり、慣れるまでピントのピークを探りにくくなります。
ピントを合わせる流れは装備前と同じですが、三脚のセッティングが面倒な方は下のようなスライダーがあれば便利です。
大体で良いので位置を探ったら三脚をセットしておき、細かなピントはカメラのみをスライダー上で前後させてピントをギリギリまで追い込めます。
とりあえず安価なものでも良いので購入しておくことをオススメします。
ただ、安いものは精度にバラ付きがあるため、本気でマクロにハマったら精度の良いものに切り替えていきましょう。
こちらが実際に撮影された花の写真です。
ピントは蘂に合っており、花粉の粒も識別できます。
被写界深度は浅くなりボケもより少し広がっています。
ちなみにレンズ後方に装備するテレコンバーターなどと違い、前玉に装備するクローズアップレンズではマスターレンズの開放絞りに影響しません。
今回のように標準ズームでも楽しめますが、望遠寄りのズームであればより接写を楽しむことができます。
また、どしても手ぶれを起こしてしまいやすい場合は三脚で固定したのち、「セルフタイマー(3秒)などにして撮影する」、「リモコンレリーズを使う」「Wi-Fiでスマホから遠隔撮影を行う」など、シャッターを押すショックがブレを起こさないようにしましょう。
シャッターそのものショックが大きなカメラであれば、一眼レフはミラーアップして撮影する。ミラーレスなら電子シャッターを使うなどで対応することもできます。
キットレンズの標準ズームとクローズアップレンズで撮る実際の作例
古いキットレンズ「G VARIO 14-45mm/F3.5-5.6 ASPH/MEGA O.I.S」に「クローズアップレンズ MC+4」で撮影した写真の作例をいくつかご紹介します。
撮影する被写体
実際の作例を紹介する前に大きさを認識していただくため、クローズアップレンズなしで序盤の被写体をご紹介。
序盤の数点は記事を読んでくれている方に大きさを分かりやすくするため、上記のを被写体にしました。
招き猫は京都のお土産で昔買ったもの。たぬきは妻の趣味が羊毛フェルトのクラフト作家なので、撮影用に借りてみました。
ちなみにG VARIO 14-45mm/F3.5-5.6 テレ端(最望遠)のクローズアップレンズなし最短撮影距離では写真はこちらです。
35mmフルサイズカメラであれば、90mm相当で中望遠の画角になります。
実際の作例
まずはクローズアップレンズ装備で望遠側の最短撮影距離撮影。
被写界深度が浅くなりボケが大きくなっています。普段は意識することのない招き猫の表面のザラザラした質感も描写されていますね。
クチナシの根元をクローズアップして森のような雰囲気にしてみました。
先程のクチナシの横に羊毛フェルトのたぬきちゃんを配置。
キットレンズにクローズアップレンズを装備しただけですが、苔の柔らかさも描写されています。
やや構図を変更、少し絞って葉の質感も出してみました。
空間の配置を少し変えるだけで表情や物語が変わってきますので、フィギュアなどを撮影される方は色々試してみてください。
ズームリングを少し広角にして30mm(35mm換算60mm)と標準域で撮影。
たぬきちゃんを動かして表情をつけてみました。
合焦できる距離であれば最望遠で大きく撮ることにこだわる必要はありません。
好みに応じた画角で作品を作ってみてください。
あとはいくつか別の被写体で作例を紹介してみます。
EFマウントの初代EOS-1 報道などで活躍したモータードライブ採用のモデルです。
私がカメラに興味を持っていることを知った大叔父が、使わなくなったカメラと89年製Lレンズ2本を譲ってくれたのが、私の一眼レフとの出会いでした。
碁盤に石を並べて「次の一手」のような感じで撮影。
RAW現像でコントラストを高めて、新聞や雑誌の挿絵風に。
コンテストや記録写真ではないので、アートフィルターで楽しむのもありですよ。
キットレンズでも雰囲気のある写真は撮れるということで、アウトドア用のギアを物撮り。
35mm換算で28mmの標準画角の接写です。
セッティングは無垢の杉の板を敷いて、トランギアのアルコールバーナーにエバーニューの五徳をセット。後方はシエラカップです。
光源は窓辺の自然光とレフ板の手持ち撮影。
まとめ
非常に安価ながら本格的な接写が可能になる「クローズアップレンズ」によるマクロ・クローズアップ撮影。
普段は目を向けることのない部分に注目することで、いつもの屋外での撮影も新たな視点で景色を眺めることができるようになります。
少し興味が出てきた方はぜひチャレンジしてみてください。
もしかすると、マクロ撮影で新たな世界が開かれるかもしれません。