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Telloの弱点と屋外で使う際の10の注意点

Telloとゲームパッド

飛行条件が揃っていれば、非常に安定したフライトが可能な200g以下のトイドローンTello。

スマートフォンさえあれば誰でも簡単に送受できることから、ドローンユーザーの垣根を一気に下げたと言っても過言ではありません。

しかし、安定しているとは言っても80g程度の軽量な機体で、自律制御がビジョンセンサー(光学認証)で行う関係で、光量不足など条件から外れると急に不安定になってしまうことがあります。

また、無理な飛行をさせると操縦不能で紛失・第三者への接触など事故が発生する場合もありますので、常に制御できる環境を守る注意が必要です。

 

今回はTelloの弱点や使用する際の注意点などをまとめました。

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Telloの弱点

まずはTelloの弱点となるポイントを確認しておきましょう。

フェイルセーフは最終の安全着陸装置

DJI TELLO(フェイルセーフ)

Telloにはフェイルセーフ機能がついていますが、あくまで送信機となるスマートフォンとの接続が解除された際に自動的に着陸してくれるだけの機能となっています。

ここで重要なポイントは「接続が解除されたポイントをキープしつつ、その場でゆっくりと着陸する」という点です。

これは広いグラウンドや広場などで飛行させている際、電波受信可能距離から出てしまった際などには非常に有効な機能です。

これによって特に電波が切断されたことで、「凧の糸が切れたようにフルパワーであらぬ方向に飛び去る」という最悪な事態は避けることができます。

とはいえ河原や海、山などで風に流されて電波受信可能距離から離れてしまうと、風が止んでくれたとしても、ほぼ手元に戻すことは不可能です。

海や川、山などでは水上や樹上、崖の上に流された状態で通信が切断されてしまうと、自然そのものが障害となって追跡できずロストするばかりか、操縦者が見守る前でフェイルセーフ機能が発動し、ゆっくりと水面に着水し水没という情けないこともありえます。

公園などでも第三者や車両、道路、建築物や樹上の方に流されていくとロストや接触事故の原因ともなります。風に対する耐性が弱くなりますが、万一の際はプロペラガードの装備も行なっていた方が安心です。

屋外でも広いグラウンドなどであれば、接続できる距離まで操縦者が追跡して再接続できることも多いです。

しかし、機能を過信せず周囲の状況を把握してフライトを行うようにしましょう。

上の画像はスマートフォンの録画機能で撮影したものですが、夏場に河川敷でフライトしておりオーバーヒートで操縦不能となり、草むらに不時着してしまった際のものです。

この日は風がありませんでしたが、運が悪ければ川面に不時着するところでした。

 

Telloは風に弱い

DJI TELLO(強風時)

まず、Telloは80gと非常に軽量な機体です。

明るくビジョンポジショニングセンサーのカメラが地上の模様がしっかり認識できる条件であれば、無風時や微風ならしっかり定位置でのホバリングをキープしてくれます。

若干なら風で流されても自動的に元の位置に戻ってくれますので、非常に安定しているように感じます。

しかし、軽量でモーターのパワーが強い機体ではないので、あまり風が強い場所では一気に流されてしまい戻ってくることができなくなります。

風のある状態でフライトさせると上のような警告が表示されることがあります。もし、表示された場合は速やかにフライトを中断するようにしましょう。

地表付近では大きな風がなくとも、10mもあげるとかなり風があることもありますので、高度をあげる際には慎重に操作するようにしてください。

大きく流されてしまいそうになった場合の対応方法ですが、一般的に高度が上がるほど風が強くなる傾向がありますので、まずは高度を下げることが大切です。

また、Telloが風に対して自動的に当て舵を行いホバリングをしている状態を見ると、安定しているように感じてしまいます。

しかし、急に風が止んだり遮蔽物の影に入ったりすると、機体当て舵を行なっている力と風のバランスが崩れ、意図しない方向に移動してしまうこともあります。

基本的に強風時には飛行させないようにしましょう。

 

TelloはWi-Fi到達距離が短い

DJI TELLO(電波)

Telloは機体がWi-Fiのアクセスポイントとして働き、スマートフォンと接続することでコントロールできるようになります。

ただし、スマートフォンのWi-Fiアンテナは機種によっても感度に差があり、TelloのWi-Fi接続による通信可能な距離も短いため、あまり遠くに飛ばしすぎると操縦不能でロスト(紛失)なんてことも発生します。

私自身が所有していたHubsan X4 HD H107Cなどのトイドローンに比べると、圧倒的に安定はしているのですが、機動力やパワーなどは弱めですので、あまり無理な飛行を控えましょう。

DJI TELLO(電波干渉)

Wi-Fi中継器を介して接続することで、映像の電信を安定させたり飛行距離を伸ばすことも可能ですが、無理に遠くまで飛ばすと思わぬところで落とし穴があったりすることもあります。

例えば上の写真のように強い電波干渉がある場合、スポット的に操縦不能に陥る可能性もあります。写真の場所は川を両岸を挟むように田園地帯と山があり、景色も良いのですが谷を渡るように山と山を結ぶ送電線の鉄塔と携帯電話の電波塔があります。飛行地点は各施設から数百メートルは離れているのですが、操縦不能にこそなりませんでしたが、ポイント的に信号干渉のサインが表示されていました。

フェイルセーフの項目でも触れましたが、グラウンドなどの広場では操縦者が機体に近づくことで再接続ができることもありますが、海や川、大きな池や森などでは物理的に近寄れません。風で流されるなどした場合、高確率で紛失に繋がります。

個人的にはWi-Fi中継器などを使用しないスマートフォンとの直接接続ではテニスコート2面くらいの広さで楽しむくらいが安心ですし、無理に遠距離を飛行させるよりも範囲内で、動きや距離を意識してコントロールの精度を上げていく方が、運転技術の向上につながります。

 

 

Telloは日没後や暗い場所での飛行は不安定

DJI TELLO(ポジショニング無効)

Telloのホバリングの安定は高度なビジョンポジショニングセンサーによって成り立っています。

夕方や夜間など、周囲の光量が不足してしまうとビジョンポジショニングセンサーは無効となり、Phantomでいう「ATTIモード」のような状態となります。

MavicやsparkのようにGPSなどで位置情報を特定するシステムは搭載されていないため、風には自然に流されますし機体は不安定となり危険性が高まります。

十分な光量のある場所でフライトさせるようにしましょう。

 

Telloは水面や地表の模様が定まらない場所に注意

意外に知られていない情報ですが、機体を均一なタイルパターンやフラットで単一色のフロアなどを飛行させる際(黒一色/白一色など)。また水面や鏡面など反射率の高い物体の上をフライトさせる際には注意が必要です。

これはTelloに限らず、Mavic2など高価なビジョンポジショニングセンサーを搭載しているドローン全般でも言えることではあるのですが、鏡や擬似的な鏡面となる水上では機体下部のカメラが位置を正しく認識できず誤作動を起こすことがあります。

また、風で揺れる樹木や草、川のような地表の模様が常に変化する場所でもセンサーが位置関係を誤認してしまい、思わぬ動きをすることがあります。

これは電車のホームで停車している車両から、車窓からの景色を眺めているとき、ホームの反対に停車していた車両が発車しているにも関わらず、自分が乗車している車両が動いているかのように錯覚したり、TVや映画の映像で酔ってしまったりするのと同じ原理です。

これは地上からの高度が低く、表面に近づいているほど発生しやすくなります。

迫力のある映像を撮りたいと水面ギリギリを飛行させたがる方は多いのですが、墜落の危険性を考えると控えておいた方が安全です。

気圧センサーが高度は認識していますが、気圧は気象とともに変化します。ビジョンセンサーが誤作動または停止状態で気圧情報が変化した場合、自動的に着水という事例もあるようです。

業務で使用されることが多い、Phantomシリーズでは手動でセンサーを切ることも可能で、誤作動を抑制し、マニュアル操作で運用することも可能ですが、操縦技術は求められます。

 

Telloは寒さや暑さに弱い

DJI TELLO(オーバーヒート)

Telloの本体は熱に弱いようで、夏場に電源を入れてアイドリング状態を続けたりすると、CPUなどから発生した熱と相まって、オーバーヒートすることがあります。

フライト中に発生した場合は最悪で、一切の操作を受け付けなくなり一定時間後にフェイルセーフが起動します。

どこかに飛び去るわけではないので、最低限の安全性は保たれますが、風があると流されますし、水面であれば水没が確定します。

また、真冬にはバッテリーの容量が低下しますので、フライト時間が短くなったりすることもあります。

機体だけでなく、スマートフォンが熱暴走でシャットダウンすることもあるので、こちらも気をつけましょう。

 

フライト時にスマートフォンは機内モードがオススメ

メールやSMS、LINEなどが発達し、スマートフォンで通話を行う機会は随分と減ったように思います。
しかし、宅配業者や勤め先、実家などから電話がかかってくる方はいることでしょう。

フライト中に着信があった場合、DJIのPhantomなど本格的な空撮ドローンであれば、着信のメッセージが画面に表示されるだけで、操作や計器の表示には影響ありません。車の運転と同じように安全な場所に着陸させてコールバックするなど対応できます。

では、Telloではどうなるかというと、困ったことに画面いっぱいが着信画面に切り替わってしまいます。

あまり書かれている方がいないようですが、私はiphone7で接続してのフライト中に実家の母から着信があったことがあります。

結果的にどうなるかと言うと、画面のバーチャルスティックも消えてしまうため一切の操作ができなくなってしまいます。

受電を拒否して画面を戻せば機体との接続は維持されているので、機体のコントロールを再開することはできますが、高度を上げているときに一瞬でも操縦ができなくなることは非常に怖いものです。

また、勤め先や親族など普段から身近に接している方は遠慮がありませんので、着信を一時的に回避しても、1分も経たないうちにまた電話をかけてくる場合も多くあります。

対策としては機内モードで受電(着信)されない状態として、Wi-FiとBluetoothはONであれば機体やゲームパッドとのリンクが確保でき安心です。

もちろんiPadなど通話機能のないタブレットやセルラー契約を行なっていないスマートフォンであれば問題はありません。

 

最後にTelloのフライトの注意点これは守っておこう

簡単に上げてきましたが、Telloの弱点をご理解いただけたと思います。
それぞれの弱点を参考に下のようなルールを守って使用すれば、大きな事故は防ぐことができます。

  1. 周囲に人のいる場所ではフライトしない
  2. 周囲に第三者(他人)の物がある場所ではフライトさせない
  3. 暗くなってきたら屋外ではフライトさせない
  4. あまり遠くに飛ばさない
  5. 高度は上げすぎない
  6. 水面などの飛行は極力控える
  7. 禁止されている場所では飛ばさない
  8. 炎天下の日は屋外フライトは控える
  9. 機内モードでフライトする
  10. 万が一トラブルがあったら逃げない

 

また、意図せぬトラブルで第三者に迷惑をかけてしまった場合、何も言わずにその場を立ち去ってしまうことなく、しっかりと事情を説明して謝罪するようにしてください。

Telloは国内の正規品を購入した場合、1年間は対人・対物1000万円のTello無償付帯賠償責任保険が付属するため、プロペラガードも装備して無理な飛行を行わなければ、保険でカバーできない大事故に発展することは少ないはずです。

せっかく購入したのですがから、無理して壊してしまったり事故を発生させることがないよう。ルールを守ってフライトを楽しみましょう。

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