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【初心者向け】単焦点レンズとズームレンズの違いって? レンズ選びの知識

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レンズ交換式のカメラを使うメリットのひとつは撮影するシチュエーションやジャンルに応じでレンズを変更できることです。
そんな交換レンズは大きく2種類に別れていることを知っていますか?

カメラに興味のある方ならもう知っている方も多いことと思います。
そう、「単焦点レンズ」と「ズームレンズ」です。

今回はズームレンズと単焦点レンズの違いがよく分からないあなたに向けて、ズームレンズと単焦点レンズの違いやメリット、デメリットについて書いていきます。

なお、この記事はこれからカメラを始めたい方向けの内容で、1本のレンズに搭載されているレンズ構成や枚数などの知識詳細について触れまていません。
まずは分かりやすく、「単焦点レンズ」と「ズームレンズ」の傾向を知っておきましょう。

 

 

 

 

 

レンズの種類・ズームレンズ単焦点レンズ

交換レンズを構造的に大きく分けるとズームレンズと単焦点レンズに分ける事ができます。

まず、単焦点レンズとズームレンズの違いについて簡単に説明していきましょう。

ズームレンズと単焦点レンズはファンタジーRPGの世界が好きな方には分かりやすく説明する事ができます。

ズームレンズは例えるなら剣技も魔法もバランスよく育てた万能職。
単焦点レンズは特定のスキルに全振りした戦闘職や魔術師です。

万能職なら物理戦闘でも無難に戦えますし、物理攻撃が効かない敵にもある程度は一人で対応できます。
特化した戦闘職や魔術師は特定の攻撃が効かない相手とは相性が悪いので、パーティーを組む事で多くの場面に対応します。
レンズの特性は魔法属性や武器のスキルが剣だったり弓だったりするようなものと考えましょう。

さて、例えばかりでは分かりにくい部分も多いため、次の項目ではそれぞれの特徴について触れていきます。

 

 

ズームレンズとは

ズームレンズ

ズームレンズ

「ズーム(Zoom)」とは「レンズを用いて被写体の像を急速に拡大したり縮小したりすること」を意味します。
つまり、ズームレンズは1本のレンズで「複数の焦点距離を自由に変更して撮影できる」便利なレンズです。

「焦点距離を選べる」と言うことはレンズを交換する事なく、「画角(写る範囲)を変更できる」と言うことです。

それぞれのレンズごとにカバーできる画角の範囲は異なっていますが、1本のレンズをカメラに取り付けたままで、たくさんの画角を選択できるのは大きな強みです。

例えば、標準ズームなどであれば、旅行先などで広がる山々の写真を広角(ワイド)に撮影し、すぐに紅葉する木々をアップで撮影するなど、非常にフットワークが軽くなります。

 

上の写真はキヤノンのフルサイズ用(フィルム時代の)標準ズームレンズとAPC-C用の望遠ズームレンズです。

鏡筒に記載された「28-80mm」や「55-250mm」がそのレンズがカバーする焦点距離。
つまり撮影する際の画角(撮影範囲)を表しています。

例えば左のレンズであれば、「フルサイズカメラの28mm〜80mmの範囲を撮影できます。」と言うことになります。
ちなみにAPS-Cのカメラであればキヤノンは1.6倍となりますので、45mm〜128mmと望遠ズームとして使用できます。

右のレンズは「55-250mm」と記載がありますが、こちらはAPC-C用のEFSレンズなので88-400mm。
なお、規格が違うためフルサイズのカメラでは使用できません。

 

 

ズームレンズのメリット

ズームレンズのメリットを考えると、やはり1本のレンズでカバーできる撮影できる範囲が広く便利である事です。
レンズ交換の時間をシャッターチャンスが待ってくれるとは限りません。
レンズを付け替えている数分の間に被写体が移動してしまったり、太陽が雲間に隠れてしまったりすることもあります。
ズームレンズならリングを回すだけで、レンズを交換したと同じ効果を瞬時に得る事ができます。

装備しているズームレンズによっては、あなたのカメラバッグの中にある単焦点レンズよりも画質が劣っているかも知れません。
しかし、その瞬間を撮影できなければ、どんな高画質の単焦点レンズを持っていても何の意味もありません。

一部のカメラ愛好家の中にはズームレンズで撮影することを「手抜き」と言ったり、「画角を把握していないから下手」と講説する方もいるようです。
確かに焦点距離から画角をイメージできることは撮影技術のひとつです。
「有名な撮影スポットに出向いて場所取りし、ポイントに三脚を固定して最高の瞬間をひたすら待つ」と言うスタイルであれば、単焦点1本でも良いでしょう。

しかし、旅行や登山などでは常に変わっていく景色の中で、それぞれの環境に素早く対応する必要があります。
有名スポットに立ち寄った場合もベストポジションがすでに場所取りされていたり、地元の方の迷惑にならないポイントから撮影するにはズームがあった方が良い場合も少なくありません。

また、屋外での撮影の際、レンズ交換を行うということはホコリやゴミ、水滴などがマウント部分から入り込み、カメラに悪影響を与える可能性があります。

他にも撮影できる範囲が変更できるということは、実際に撮影場所まで持っていく機材が減るということになり、運搬に伴う労力や疲労も軽減されます。

複数の焦点距離をカバーできると言うことは、同じ場所に立っていながら、多くの被写体に対応できると言うことは空中や海など、近づくことのできない場所にも寄れることを意味します。
多くのスマートフォンなどのカメラにもズーム機能はついていますが、ワイドに撮影した写真から一部を切り出すデジタルズームがほとんどです。
レンズ交換式のカメラに装備するズームレンズは言葉の通り、望遠鏡のように光の屈折をコントロールして拡大・縮小を行うために、デジタルズームのように拡大すると画質がザラザラに荒くなることはありません。

そのため、多くのレンズ交換式カメラなどにセット販売されているキットレンズ。
これもまずは最初の1本として、色々な撮影が楽しめるよう「標準の焦点距離」をカバーするズームレンズがセットにされている事が多いのです。

 

ズームレンズのデメリット

ズームレンズは1本のレンズで複数の焦点距離での撮影を行う事ができる反面、その焦点距離に特化した単焦点レンズに比べると画質やボケ味、明るさなど性能が劣る事が多いです。
また、一部のレンズを除けば、同じクラスの単焦点レンズに比べて大きく、重くなってしまいます。

ただ、一口にズームレンズと言っても、数万円程度の安いものから10万円以上するものまで多くのモデルが存在します。

画質についても玉石混交で特に入門カメラなどにセット販売されることの多い、数万円の安価なズームレンズはあまり解像感が出なかったり、写りの性能が良くないレンズも多くあります。
そのためキットレンズを嫌うカメラファンも多くなっています。

インターネット上で検索してみると「初心者はキットレンズは使うな」「初心者はキットレンズは買ってはいけない」などの言葉も散見します。
そんな記事を読んでしまうと、何の知識も持たないカメラ初心者の方は「本体とセットで販売されているレンズはダメなレンズ」と思い込んでしまう人は多いことと思います。

しかし、最近は安価なクラスの入門レンズは性能もかなり上がっており、マイクロフォーサーズなどのキットレンズなどでは非常にコンパクトにできていたり、写りも意外と侮れないものが存在します。

また、上記の方達が言う「キットレンズ」とは「一眼レフなどの入門機(エントリー機)」と言われる安いカメラに付属する廉価なズームレンズです。
中級機以上のカメラとなると、いわゆる「キットレンズ」もプロも使用している高画質の標準ズームレンズや高倍率ズームがセットになっている場合もありますので、「本体とセットのレンズ=写りが悪い」と断言できなくなっています。

例えばキヤノンのフルサイズ一眼レフ「EOS 5D Mark IV」であれば「EF24-105L IS II USM」と言うF4通しの防滴防塵の標準ズームで、プロの方も使用されます。
また、ミラーレス一眼のオリンパス「E-M1 Mark iii」のキットレンズは「M.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PRO」とこちらも防滴防塵性能を備えた高品質な標準ズームレンズが付属しています。

このクラスのズームレンズでは全域の焦点距離で、明るさ(F値)を除く値は全てにおいて安価な単焦点レンズを凌ぎ、画質も1本で複数の単焦点レンズの代用になるレベルに仕上がっています。

これを超える単焦点レンズとなると、やはり大口径で大きく重い代わりに「ボケの質感や画質などに特化した高級レンズ」となってくるのが普通です。

 

ズームレンズの作例

望遠ズーム(80mm)

望遠ズーム40mm(35mm換算80mm)

 

望遠ズーム(300mm)

望遠ズーム150mm(35mm換算300mm)

上の2枚の写真は「だるま夕陽」が有名な高知県宿毛市の海を。同じポイントから望遠ズームで撮影したものです。

使用したレンズはオリンパスのマイクロフォーサーズ規格「M.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F2.8 PRO」。
最も広角の40mmと最望遠の150mmです。

のんびりとレンズ交換を行っていたら、灯台前を通過する漁船を捉えることはできなかったでしょう。

 

標準ズーム

標準ズーム20mm(35mm換算40mm)

初代E-M5のキットレンズ「M.ZUIKO DIGITAL ED 12-50mm F3.5-6.3 EZ」で撮影。

スタンダードクラスのレンズでありながら、インナー方式でズーム時に鏡胴が伸びない事と防滴防塵が嬉しいレンズでした。
北海道に滞在した最後の1年はほぼメインで使っていたレンズです。

 

単焦点レンズとは

単焦点レンズ

単焦点レンズ

単焦点レンズとは焦点距離が1つのみで、画角(撮れる範囲)が固定されているレンズです。
一般的にはピントのみをコントロールできるリングやピントや手振れ関係のスイッチがあるのみで、撮れる範囲をコントロールするにはあなた自身がカメラを持って移動し、構図を変更する必要があります。

そう言ってしまうと「不便で面倒なレンズ」というイメージを持つかも知れません。

しかし、単焦点レンズはその焦点距離(画角)に特化した設計とすることで、同価格帯のズームレンズと比べると突出した性能を持つ事が多くなっています。

その特性は写りが良かったり、明るくシャッタースピードを稼げたり、ボケがキレイであったりとレンズによって異なる部分があります。

そのレンズの持つ特性・条件が、あなた自身求めている写真の条件にピタリと合うレンズであれば、最低限の出費で最大限のクオリティを引き出す事ができる。
それが単焦点レンズの魅力です。

また、エントリークラスのズームレンズに比べて開放F値が小さなレンズも多くなっています。
開放F値が小さなことは夜景や屋内での撮影やスナップ。ボケを活かした写真。被写体(モデル)との距離がある程度固定されるポートレートなどでは無類の武器となります。

 

単焦点レンズのメリット

先ほども触れたように単焦点レンズでは数万円代と比較的安価なレンズであっても、F2.8やF1.8などの開放F値が小さい「いわゆる大口径レンズ」が多くなっています。

レンズは同じ焦点距離と同じセンサーサイズであれば、「F値が小さい方が被写界深度が浅くなる(ピントの合う幅が小さくなる)」と言うお約束があります。

そのため単焦点レンズではズームレンズに比べて、同じ焦点距離でボケを活かした写真が撮影しやすくなります。
望遠レンズであればF値が標準的な5.6程度であっても、ボケを作る事は難しくありませんが、広角レンズなどでボケを活かした撮影を行うのは知識がない初心者には少し難しいかも知れません。

次に開放F値が小さい事によってレンズがセンサーまで光を取り込める量が増えるため、暗い場所でもシャッタースピードを早く設定する事が可能です。
「開放F値が小さいこと」についての意味は別の記事で詳しく書いていきますが、結論から言うと手ブレを起こしてしまいやすい屋内での撮影や夜景などでも失敗写真になる確率を減らせます。

開放F値が小さい大口径レンズのことを「明るいレンズ」などと読んだりするのはこの為です。
ちなみに日本国内では「明るい」と言われる事が多いですが、海外ではシャッタースピードを早くできると言う意味から「ハイスピードレンズ」と呼ばれる事も多いようです。

また、開放F値が小さいと言うことは撮影する際に選択できる「絞りの幅(F値)」が増えることです。

結果的にカメラマンが設定できるシャッタースピードや明るさ、ボケなどの選択肢がより広がることになります。
つまり「画角の自由度が低い」代わり、写真本来の要素でもある「光の量と露出時間を撮影者がコントロールする」と言う点においては同価格帯のズームレンズよりも自由度が高いことになります。

最後に単焦点レンズは設定されている焦点距離での撮影に特化した設計になっているため、複数の画角をカバーする必要のある同じ価格帯のズームレンズに比べて画質が良い傾向があります。

この部分は「シャープな描写」であったり、「歪みの少なさ」であったり、「同じF値で比較しても分かる美しいボケ」であったりとレンズによって特性が異なっています。
絵画のタッチと同じで「実際に撮影するあなたの好み」が大きく反映する部分となりますので、レビューなどで色々な評価があるとはいえ、あなた自身で写真の作例を見て判断していく必要があります。

その結果、「このレンズでなければ撮れない」「このレンズで撮りたい」となることが単焦点レンズの面白いところです。

 

単焦点レンズのデメリット

単焦点レンズのデメリットはやはり焦点距離が固定であること「ズームができないことによる不便さ」でしょう。

スタジオ、カフェなどの屋内。街でのスナップなどであれば、気軽にレンズを交換し撮影を楽しむ事も可能です。
マイクロフォーサーズなどでは小型・軽量で画質の良い単焦点レンズも多いため、小さなバッグにミラーレスカメラと2、3本の交換レンズでも大きな荷物にはなりません。

しかしながら、フルサイズのデジタル一眼カメラに単焦点レンズ数本となると、撒き餌レンズなどと呼ばれる一部の安価な単焦点を除いて、望遠でなくても1本200g〜500gほどあったりするため、カメラ本体と単焦点レンズ数本となると、水の入ったペットボトル数本を持ち歩いているような状態になります。

車での旅行であればともかく、荷物を極力減らしたい登山やツーリング・サイクリングなどでは単焦点レンズを増やすことはダイレクトに負担増につながります。
また、フルサイズ用の単焦点となると10万円を超えるものも珍しくありません。事故による故障や盗難のリスクも増えてしまいます。

こうなるとちょっとしたお出かけでも大荷物で移動することになりますし、自分だけならともかく誰かと一緒に行動する際には体力だけでなく、精神的にも負担も大きくなることでしょう。

結果的に単焦点レンズを本体に装備する1本+変更用1本程度に止めるか、標準ズーム+1本程度にする事が多くなる傾向があるようです。

もちろん、画角は割り切って撮影する場合や特定のレンズでスナップをと考えて行動するなら、お気に入りの単焦点レンズのみカメラに装備して歩くシンプルなスタイルも写真の撮影技術向上と言う意味では悪い選択ではありません。

 

単焦点レンズの作例

今回は数万円と比較的安価に手に入る単焦点での作例を掲載してみました。

 

輝く丘で(北海道サイクリング)

単焦点レンズ 20mm(35mm換算40mm)

2010年に発売されたエントリーモデルのミラーレスカメラ「パナソニック LUMIX GF-2」に装備したレンズは中古で2万円以下で購入できる軽量コンパクトな単焦点レンズ「LUMIX G20mm F1.7」を装備し、サイクリング中の夕暮れ時にF8まで絞り込んで手持ち撮影した1枚。

10年前のエントリーミラーレスで手ぶれ補正なしのボディに安価な単焦点レンズとは思えない描写です。

 

 

14mm

単焦点レンズ14mm(35mm換算28mm)

 

14mmf25

単焦点レンズ14mm(35mm換算28mm)

こちらの2枚は初代E-M5(2012年発売)にLumix GF3のダブルレンズキットに付属している「LUMIX G 14mm/F2.5 ASPH. H-H014」で撮影したものです。
広角28mm相当の単焦点で開放F2.5のレンズ。一般的に普通な突出したところのないレンズですが、明るさを活かしてソフトフィルターを装備し、三脚に固定し星空撮影。
エントリークラスのズームレンズでは撮影が難しい星空も撮影できました。

マイクロフォーサーズは一部のカメラマニアから、センサーサイズが小さいので画質が悪い。コンデジと変わらないなんて言われる事もありますが、8年前のモデルでもこれくらいは取れますよ。悪くないと思いませんか?

安いキットレンズといえど、使い方次第で色々と楽しめます。
ちなみに現時点で初代E-M5とLUMIX G 14mm/F2.5 ASPH. H-H014を中古で安く探せば、3万円程度で揃ってしまいます。

 

まずはたくさん撮って焦点距離の感覚をつかもう

ズームレンズと単焦点レンズについて、いかがでしたでしょうか。

ちなみに私自身の使用しているレンズですが、現在ではOLYMPUSのE-M1にF2.8のズームレンズ3本のいずれかをメインとして装備し、必要に応じて60mmF2.8の単焦点マクロレンズを追加して使っております。

ただ、昔からミラーレスカメラだったわけではなく、2005年ごろに写真を始めたきっかけは大叔父からキヤノンのフィルム一眼レフを譲ってもらい。同時にキヤノンのEOS 20Dと言うAPS-Cの中級機を購入して一部のレンズを兼用して使っておりました。

当時、バイクツーリングでの写真がメインでしたので、常備していたのがタムロン18-200mmの高倍率ズームと安価な単焦点レンズ2本です。
手ぶれ補正もなく、オートフォーカスが遅かったり駆動音がうるさいなど欠点はありますが、なかなか描写もよく楽しめたと思います。

その後は紆余曲折あって、OLYMPUSのE-M5とGF-2に変化して、現在はOLYMPUSのE-M1にF2.8のズームレンズ3本をメインで対応しています。

結果的に私はレンズやカメラ選びに「正解」と言うものはなく、あなたの撮影方法やライフスタイルに応じて「正解」は変化するものだと考えています。

ただ、間違いないのは初心者の頃はカメラと親しむために撮影する機会を増やし、自分の好きなシチュエーションや得意な焦点距離を見つけて行く事が大切と言う点です。
それによって使いやすいレンズや好みの描写、ズームが良いのか単焦点レンズ良いのかが分かってきます。

大切なのはカメラと遊び、あなたにあったフォトライフを楽しむ事。それを忘れないでくださいね。

 

 

 

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