タイムラプス

タイムラプスは早送りとは違うの? スマートフォンでも楽しめる身近になった微速度撮影の世界

スマホでも楽しめる身近になった微速度撮影の世界

最近はiPhoneの写真機能などでも簡単に撮影することができるようになり、身近に楽しむことができるようになったタイムラプスと呼ばれる動画。

映画などで時間が高速で過ぎていく様子を表現したり、ネイチャー系のドキュメンタリー番組で雲が流れたり、太陽が昇る瞬間から日没までを数秒に圧縮してまとめたりする映像です。

TVなどをみていない方でも、小学生の頃に理科の学習教材ビデオなどを教室で視聴した時、種子の発芽する様子や花が開花する様子を撮影した早送り映像などならみたことがあるかもしれません。

昔は専用の機材で撮影する特殊撮影だったのですが、最近ではデジタル一眼(DSLR)の動画機能として搭載されたり、アクションカメラやスマートフォンのカメラアプリの機能で撮影したりもできるようになり、動画撮影の技法としては身近な映像になっています。

今回は「タイムラプス」とはどのような動画なのかを説明してみたいと思います。

 

 

タイムラプスとは

タイムラプスとは、低速度撮影や微速度撮影と呼ばれる写真撮影技法です。
インターバル動画(撮影)とも呼ばれることもあります。

タイムラプス(Time lapse)の語源は「タイム(時間)」と「ラプス(経過・推移)」という言葉から作られたものです。

ちなみに逆にスローモーションは高速撮影・ハイスピード撮影などと言われます。


こちらの動画はクチナシの開花をミラーレスカメラでインターバル撮影したものです。

約2時間600枚の写真を動画にしています。
実験的に撮ったものなので、完全に開花するまでにSDカード容量が不足して撮影終了となったのが心残り。

実際に動画をみると、まるで時間を凝縮したような不思議コマ送り映像をとなっており、
一見すると動画を早送りしてるようにも見えますが、その撮影方法は早送りとは異なっています。

 

 

タイムラプスと通常の早送り(コマ落とし)の大きな違い

一般的な動画は1秒間に24〜60フレームで撮影した連続する高速度撮影の連続する映像であるのに対し、タイムラプスでは数秒や数分毎の一定間隔に1枚の写真(フレーム)を撮影。
その写真を動画のフレームレート(秒間コマ数・FPS)に合わせて繋げ、連続で再生することで早送りのような動画を作りだします。

大きな違いは通常の動画の場合、フレームレート(1秒間の動画の中に含まれるコマ数)よりも長い露出時間の撮影はできません。
TVやインターネットで使用される動画は通常30FPS(1秒間30コマ)か60FPS(1秒間60コマ)となりますので、動画で使用できる最長の露出時間は1/30〜1/60となり、通常は動きを自然に見せるため倍の1/60〜1/120で撮影されます。

確かにスムーズで自然な映像が撮影できるのですが、暗所などで周囲の光量を確保しようとすると、使用しているレンズの開放F値をより小さなものに変更するか、カメラ側でISO感度を上げる必要があります。

また、短いシャッター速度での撮影も可能ですが、適切なシャッタースピードでなければ動画の動きがカクカクするなどの現象が発生することがあります。
通常の再生速度の動画は人が普段目で見て動きとして認知されるため、視聴者は「何か変」という違和感として感じることが多く、映像作品として使用するのであれば実際の露出時間(シャッター速度)の制約はかなり多いと言えます。

逆にタイムラプスでは数秒に1度のインターバル(間隔)で1コマずつ撮影していくため、動きはぎこちなくなってしまうものの、理論的には設定されているインターバルと同等の時間まで露出時間※の設定が可能です。
視聴者からは早送りの再生として認識されているので、既に日常の動きではなく違和感こそ感じても通常の再生速度の映像と違いあまり問題にはなりません。
そのため、映像の表現が通常の動画撮影より自由度が高いというメリットがあります。
※厳密には撮影後の保存・処理の時間が発生するので、若干時間は短くなります。

 

早送りに対するタイムラプスのメリット

・シャッタースピードの自由度が高い
・フレーム単位での編集・補正の自由度が高い
・カメラのタイムラプス機能で撮影した場合や動画として書き出した際、通常撮影を早送りするより動画カットの容量が小さい

 

早送りに対するタイムラプスのデメリット

・撮影後の処理に時間がかかる
・通常の再生速度に戻す処理はできない
・スマートフォンでは気軽に撮れますが、カメラでRAW撮影する際には1秒間の動画でRAW+JPEGファイル×30個は必要な計算となり、10秒程度の動画でも膨大な容量。

 

タイムラプスの種類

一言でタイムラプスと言っても、最近では手法によっていくつかに呼び名が別れています。
少し代表的なものを紹介してみましょう。

タイムラプス

最も一般的なタイムラプスです。

カメラを三脚などで固定し、一定のインターバルで定点撮影を行うことで、早送りのような映像を作るスタンダードな微速度撮影動画となります。

デジタルカメラで静止画(写真)のインターバル撮影を行い、後処理で動画にする方法。
撮影機材(カメラ)のタイムラプス機能を使って動画のみや動画+JPEGを撮影する方法があります。

後者はiPhoneなどスマートフォンの標準カメラアプリにも機能が追加されています。

iphoneカメラのタイムラプス

簡易的なタイムラプス動画撮影の機能なので、マニュアルでインターバル設定する項目がないことが欠点です。

しかし、逆に撮影時間に合わせてインターバルを割り振ってくれるので、深く考えなくても良い点が便利ですね。
意図的にスピードを設定したい場合、各種設定をマニュアルで変更可能なカメラやアプリを使用しましょう。

また、タイムラプス機能やインターバル撮影機能のないDSLR(デジタル一眼レフ)などを使用するなら、下記のようなバルブ撮影用などにも使用できるタイマーリモートコントローラーを外付けすることでもインターバル撮影ができます。

 

 

モーションタイムラプス

通常のタイムラプスではブレを抑えるためにカメラを定点で固定して撮影する必要がありました。

モーションタイムラプスはタイムラプスに緩やかなカメラの移動を追加したものです。
電動のスライダー・ドーリーや電子制御のジンバルなどを使用することで、短距離ではありますが、一定の微低速でカメラをパン・チルトさせて動きのあるタイムラプスを撮影します。

 

ハイパーラプス・ウォークラプス

近年のデジタル技術の発展により可能になった新たなタイムラプスの技法です。

通常のタイムラプスやモーションタイムラプスは「あくまで一定の間隔で撮影された写真を1フレームとして動画にしていく技法」です。
カメラワークに動きを持たせる場合、スムーズな動画となるように常に一定速度でカメラの移動速度や舵角を保つ必要がありました。

ハイパーラプスではアプリやカメラのアルゴリズムによって差はありますが、画像生成の手法としては電子手ぶれ補正の応用に加え、3D演算によって予測される仮想カメラパスを用いて、静止画間の大幅なズレやブレを保管してシームレスにつなぎ合わせた動画を生成(レンダリング)する手法が多くなっています。

その結果、通常のタイムラプスではカクカクと違和感のある映像となっていた移動中のタイムラプス映像が、まるでドローン撮影を行った動画を早送りをしているかのような映像になります。

スマートフォン単体でも可能ですが、ジンバルやアクションカメラで撮影することで、より自由度は高くなります。

なお、一般的にJPEGなどの静止画はハイパーラプスでは記録されない仕様が多いようです。

 

興味が出たらチャレンジしてみよう

最後に私が写真撮影の時間待ちや休憩時間を利用して、iPhoneで撮影したタイムラプス動画を編集した動画を貼り付けておきます。

後半部分はOSMO Mobile2という1万円程度で購入できる機材を使用している部分もありますが、どれも時間さえあれば気軽にチャレンジできるので、タイムラプスに興味のある方は是非チャレンジしてみてくださいね。

余談ですが、田舎の風景では動くものが少ないので、雲や光など長時間の撮影を行うことが多くなります。
逆に都市部にお住まいの方なら交差点や夜景など常に動きがあるものを撮影することで、短い時間でも楽しむことができるはずです。

シーンごとの特性を考えてシャッタースピードやインターバルを設定することは、通常の写真撮影と同じですね。

 

 

今回使用したiPhone以外の機材はこちら

ミニ三脚

 

スマートフォン用の三脚マウント

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スマートフォン用ジンバル

コスパ重視の前モデル

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コンパクトに収納できる現行モデル

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