今回は私が使用しているマイクロフォーサーズ用望遠ズームレンズ「M.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F2.8 PRO」を紹介します。
2013年にE-M5を導入後、軽量コンパクトなマイクロフォーサーズの中では少し大きめなボディとなる「E-M1」を購入したきっかけとなったレンズです。
2014年に発売され、マイクロフォーサーズレンズとしては高価な10万円台のレンズながら、一時は生産が追いつかなくなり品薄となるほどの描写力を誇る人気レンズでした。
このレンズの購入まではPanasonicの「LUMIX G VARIO 45-200mm F4.0-5.6 MEGA O.I.S.」を使っていたのですが、テレ(望遠)側のピントが少し甘かったこともあり、 当時応募したフォトコンの賞金を注ぎ込んで購入したものです。
画質も神レンズ扱いされるほど非常に評判がよく、セットで購入が可能なテレコンバーターを装備しても112-420mmズームで F4通しで使用できるなど、フルサイズ換算80-300mmでありながら、長さ160mmで800g(キヤノンのEFマウントだと1kgを超えます)というコンパクト。
また、インナーズームで望遠時に長さが変わらないところも魅力の一つです。
オリンパスのPROシリーズレンズでは2本目となる防滴防塵仕様レンズでもあります。
それでは数年間で使用してきた作例を交えながらレビューしていきましょう。
OLYMPUS 望遠ズームレンズ ED 40-150mm F2.8 1.4X テレコンバーターキット 防塵 防滴 マイクロフォーサーズ...
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望遠ズームとしてのM.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F2.8 PROの特徴
「望遠鏡」などのイメージもあってか、初心者の方は「望遠レンズ」と聞くとどうしても「遠くのものを大きく拡大する」ということだけに考えてしまいがちです。
しかし、カメラにおける望遠レンズは比較的近い被写体をクローズアップで撮影したり、圧縮効果を狙って被写体と背景の関係を演出したり、被写界深度の浅さを利用して標準レンズ以上のボケをコントロールしたりすることが可能です。
このM.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F2.8 PROの優れているところは、フルサイズ1眼レフのプロ用「標準ズーム」と同程度のサイズ&重量でありながら、望遠ズームの焦点距離とF2.8という大口径による表現力。プロカメラマンにも対応できる解像力を実現したところです。
この望遠ズームレンズの為にマイクロフォーサーズカメラを購入したという方もいるようで、望遠用のキラーレンズとしても評価の高いレンズです。
マイクロフォーサーズレンズとしては最大クラスのサイズ&重量ですが、フルサイズ1眼レフのレンズと比較するとかなりコンパクトで軽量に仕上がっています。ボディ混みで考えると半分以下になることは機動力の面では非常に魅力的です。
また、価格も高価ではありますが、フルサイズの高級レンズの価格を考えると安いと思える方も少ないないはずです。
M.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F2.8 PROのサイズや操作感
オリンパスのM.ZUIKO DIGITALの他のPROレンズと並べたサイズ感です。
ちなみに三脚を使用する機会が少なく、サイズを抑えたい方には三脚座を取り外して、別売の化粧リングを装備できます。
サイズは79.4mm径(フィルター72)×160mmですので、三脚座を加えると他のレンズと比べるとかなり大きなレンズになります。
今後、PROシリーズのレンズを揃えることを考えており、PLやNDなど円形のレンズフィルターを購入するのであれば、プロテクター以外はこの72mm径サイズか300mm F4の77mm径に合わせておけば高価なフィルターを数枚購入することなく、ステップアップリングで対応できます。
通常の撮影に使用するレンズの操作方法はフォーカスリングとズームリングを回すだけなので、特に迷うことはありません。
各種リングも入門機の格安レンズと違ってトルク感があって、スムーズに調整できます。
特徴的な機能は後続のPROシリーズのレンズには表中装備となっている「MFクラッチ機構」と、ユーザーの好みで設定できる「レンズファンクションボタン」です。
レンズファンクション「L-Fn」ボタン
レンズファンクションボタンは「AEやAFロック」「被写界深度プレビュー」などの定番機能の他、マイプリセットの呼び出しやブラケットなどにも使えます。
「RAW+JPEGとJPEG」の切替、HDRブラケットやAFターゲットモード変更なども可能で、オリンパスの深い階層の設定画面が面倒なこともあり、慣れてくると手放せないボタンとなります。
レンズファンクション設定例
機能 説明 AF停止 L-Fn ボタンを押している間、オートフォーカス作動が停止し、ピントが固定されます。 ISO感度 ISO 感度を設定します。 WBモード ホワイトバランスモードを設定します。 露出補正 L-Fn ボタンを押して、露出補正をおこないます。 AEL/AFL L-Fn ボタンを押すと、AE ロック / AF ロックの動作をおこないます。 プレビュー L-Fn ボタンを押すと、設定されている絞り値まで絞り込みます。 ワンタッチWB L-Fn ボタンを押しながら撮影して、ホワイトバランスを設定します。 [・・・]選択 L-Fn ボタンを押して、AFターゲットモードと位置を変更します。 [・・・]Home L-Fn ボタンを押すと、AF ターゲットをホームポジションに設定します。 MF切替 L-Fn ボタンを押すとマニュアルフォーカスへ切り替えます。再度押すと戻ります。 RAW L-Fn ボタンを押すと、RAW+JPEG と JPEG を切り替えます。ダイヤルで画質モードの切り替えができます。 試し撮り撮影 L-Fn ボタンを押しながら撮影すると、カードに記録しません。 マイセット撮影
1/2/3/4L-Fn ボタンを押しながら撮影すると、登録されている マイセット 1 ~ 4 の設定で撮影します。 ライブガイド L-Fn ボタンを押すと、ライブガイドに切り替えます。再度押すと戻ります。 デジタルテレコン L-Fn ボタンを押すと、デジタルテレコンになります。再度押すと戻ります。 HDR BKT 切替 L-Fn ボタンを押すと、HDR合成に適した露出の異なる複数の画像を撮影します。 Off (オフ) L-Fn ボタン機能を使用しません。
MFクラッチ機構
MFクラッチ機構は撮影中にワンタッチでAF(オートフォーカス)と(マニュアルフォーカス)を切り替えができる機能です。
写真のようにフォーカスリング(ピントリング)をスライドさせるだけで、切り替えを行うことができます。距離目盛もついている為、夜間の夜景や星空などで大まかなフォーカスを予め設定したいときにも重宝します。
時々、前回の撮影でMF機構がオンになっており、「あれ、AFが効かない?!」なんてことになることもあるので注意しましょう。
カメラの設定からAF、MFを切り替える必要がない為、使い慣れるとカメラ側で設定するよりも遥かに便利です。
専用フード
スライドすることで脱着せずに収納できる専用フード。
効果が十分にあるのですが使用時はかなり長くなりますので、街中では周囲に対する威圧感が増してしまうこともあります。
本来の狙いである遮光意外に雨など斜め上方向からの飛沫の付着による、撮影の中断から前玉を守れる傘のような効果もあります。
まれにスライド機構が分解して壊れるという事例があるのですが、私は今のところ故障していません。
一応、非公式ではありますが逆付で収納するタイプのシンプルな代用フードとして、キヤノンのET-78IIが使用できるようです。
カメラ用レンズフード ET-78IIカメラマウントレンズフード Canon EF 135mm F2L 180mm F3.5L USMレンズ用 取...
M.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F2.8 PROのワーキングディスタンスと最短撮影距離
「M.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F2.8 PRO」のピントを合わせる事ができる最短撮影距離(イメージセンサーから被写体の最短距離)は0.70m(70cm)となっています。
マイクロフォーサーズレンズでは少し最短撮影距が長いレンズとなりますが、焦点距離が40-150mm(35mm換算80-300mm)となりますので、適切なワーキングディスタンスを保ちながらテレマクロ(望遠によるクローズアップ)的な撮影が可能です。
実際に上の写真が最短撮影距離で撮影している状態です。
マニュアルフォーカスで花の蘂にピント合わせを行なっているのですが、最短撮影距離よりも気持ち寄れる印象でした。
こちらが実際に撮影したものです。
流石に本物のマクロほど大きく写せませんが、一般的な花の撮影などなら特に不自由しないレベルで撮影が可能です。
ボケについてもズームレンズとしてはかなり柔らかく、キレイにボケてくれます。
なお、同じワーキングディスタンスで単純にボケ量を考えた場合、フルサイズのF2.8相当にはならず、同じボケ量を得るには望遠側で撮るか2段ほど大口径のレンズで撮る必要があります。
しかし、最短撮影距離が短いことでより被写体に近づいて撮影できることから、通常の使用であればこれはあまり不利にはなりません。
これは広さに余裕のない屋内で静物を撮影する際には大きなメリットになります。
例えばキヤノンの一眼レフ用のEFレンズで「プロ用」と言われるLレンズの300mm F2.8Lが最短撮影距離1.2mくらいですので、実際に屋内で使ってみると有効性が感じられます。
M.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F2.8 PROの作例
流石に40-150mmF2.8通しのオリンパス純正大三元レンズ。
ボデイ内の強力な手振れ補正と相まって設定自由度も高く、望遠レンズとして普通に使用する分にはとても優等生。
解像力があるのは良いのですが、古いOM-Dだと1600万画素でボディの映像エンジンにシャープネスが強めの傾向があり、慣れるまでは設定が合わずカリカリに写りすぎるかもしれません。
素晴らしいレンズなのは間違いないのですが、AUTOでJPEGメインの方には思うように撮れなかったり、ボディによっては解像力を持て余すじゃじゃ馬?的な傾向があるかも。
E-M1 mark2以降の2000万画素センサーだとややナチュラルになっています。
カリカリにシャープな写真が好みの方はパラメーター調整やRAW現像でどうとでもなるので、個人的には使いやすいと感じています。
40-150mm F2.8の望遠端150mmの描写
望遠ズームといえば、やはり遠くのものを大きく写す「望遠」が気になる方も多いでしょう。
まずは気になるテレ端(最大望遠)の写真を見てみましょう。
1枚目はセオリー通り、パンフォーカスの風景を望遠150mm(35mm換算300mm相当)で撮影。
初心者の方でもよくやるダブルズームキットの望遠ズームで、遠くの風景を大きく撮影したのと同じようなシチュエーションです。
一応、撮影した時の状態を説明すると、晴れの日に山の斜面にある茶畑を反対側の山から谷を挟んで撮影したもの。
マイクロフォーサーズの被写界深度の深さと、E-M1の手振れ補正で手持ちでも十分撮影できます。
パンフォーカスになる最低限ということで、距離の目測でF7.1程度まで少し絞り、レンズの解像力を活かした形です。
少しシャープネスは強めの設定ということもありますが、奥の杉の林から手前の竹藪までカリッとピントが合っています。
最近の手ぶれ補正が強力なカメラで、マイクロフォーサーズやAPS-Cでは被写界深度が深くなる為、フィルム時代の風景(パンフォーカス)では三脚必須でF16までは絞るというセオリーは守らなくても大丈夫です。
風景メインのパンフォーカス撮影であればフルサイズが2段絞り込む必要があるシーンでシャッター速度を稼ぐことができることから、ボディ内手ぶれ補正と合わせることで、かなり使いやすいレンズと言えます。
もちろん、日中でも気象条件によっては三脚があった方が良いこともあります。
ただ、ボディの手ぶれ補正や高感度のノイズ許容量によって設定の限界に差がありますので、ここは実際に使用して経験でカバーしましょう。
同じ場所から1.4倍のテレコンバーター「ZUIKO DIGITAL 1.4x Teleconverter MC-14」を使用して、210mm(35mm換算420mm相当)にズームアップ。
雲で光の当たる方向が制限されたので、F9まで絞り、弱アンダーにして撮影しています。
大きな解像力の低下もなく、パンケーキレンズ程度のサイズで邪魔にはならないこともあり、撮影の幅が広がるので一緒に持っておくと便利です。後発の2.0x(2倍)のMC-20も良いですね。
こちらは河川敷を散歩中に見つけた野バラを撮影。
先ほどの写真と違って、被写体との距離は道路を1車線挟んだ程度。
ボケ優先で撮影するのであれば、F1.2の単焦点PROレンズやフルサイズボディを使いたくなるところですが、特に問題なく使用できますね。
ただし、お散歩用レンズとしては少し重いかも。とはいえ一眼レフと1kgオーバーのLレンズ2本をザックに入れて山を歩いていた方にとっては特に問題ない重さとサイズ感。
こちらも中間的な距離で桜と古ぼけた鉄塔を撮影。
手前に桜を入れて前ボケも出してみました。
安価な望遠レンズではテレはしはピントが甘くなりやすいことが多いのですが、しっかり解像しています。
フィルム調の現像プリセットを使って、通りすがりのツーリングライダーをバイク全盛期の走り屋っぽく流し撮り(ナンバーは加工しました)。
40-150mm F2.8PROを野鳥撮影に使用できるか
野鳥の撮影は市街地などの人馴れしている野鳥であれば良いのですが、通常はフルサイズで400mmが最低ラインと言われます。
野鳥の警戒される範囲外から撮影するのであれば、600mm~800mmで撮影してさらにクロップ(トリミング)することも珍しくない為、更に難易度が高くなります。
M.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F2.8 PROは35mm換算300mmですので、単体で撮影するのであればクロップ(トリミング)で拡大するかデジタルテレコンを使用する。
もしくはオプションのテレコンバーターで望遠を強化する。自然に擬態して警戒心が解けるのを待つなど、多少の工夫が必要です。
とは言え、マスターレンズとしての性能は高い為、テレコン装備時も若干シャッター速度の低下を招くものの高画質で撮影を行うことができます。
なお、リニアモーター機構のAF「DUAL VCMフォーカスシステム」はかなり速い印象ですが、その性能を活かせるかはカメラボディ側の性能に依存する部分も多く、野鳥や野生動物の撮影ではE-M1シリーズが欲しくなるところです。
街の中で生活するツバメやスズメなどであれば、距離は比較的寄りやすいので単体でも撮影できます。
こちらはアーケードの中にある懸垂幕のポール上のツバメ。
冬場によく遊びに来てくれるジョウビタキのメスを「ZUIKO DIGITAL 1.4x Teleconverter MC-14」を装備して35mm換算420mmで撮影。
曇天の草地で食事を終えた若いオオタカを発見。
口元に捕食したカラスの羽がついています。
「ZUIKO DIGITAL 1.4x Teleconverter MC-14」で1.4倍の420mm相当でRAW撮影後、2倍近くまで拡大クロップして補完とノイズリダクションを行ったもの。
流石にここまで拡大すると描写も甘くなり、細部は塗り絵のようになっています。
とはいえ、資料やL版でプリントしたり、WEB用なら使えなくもありません。特に画素数に余裕のあるE-M1 Mark2以降であれば、もう少しトリミングの耐性も出てきます。
ちなみにJPEGの撮って出しや動画であれば、デジタルテレコンONで600mm相当の撮影が可能です。
中望遠域では
300mm相当の望遠と言ってもズームレンズですから、必ずしもテレ端で望遠端で撮影する必要はありません。
ということで、テレ端以外の画角で撮影した作例を何点かご紹介。
鉄道写真は専門外なのですが、2019年の春に妻と仁淀川町に向かう道中で撮影した1枚。
少し絞っていくと車両全体をシャープに描写できる。
中距離で撮影するケースでは表現できる幅も多く、使いこなせると非常に強力な武器になるレンズです。
それぞれの葉をしっかりと描写、背景の質感を失わずに滲むようにボケてゆく。
F2.8通しのレンズとなると、ついつい開放で撮ってしまいがちではありますが、撮影者が意図的に指示を与えてあげることで描写をコントロールする楽しさがあります。
NDフィルターを持っていなかった為、F20まで絞り込んで2秒の露出。
最新のE-M1 Mark3の7段分手ぶれ補正があれば、手持ちで数秒の撮影も可能という話もありますが、初代E-M1は4段分手ぶれ補正があるとはいえ、近くの岩の上に固定して撮影。
愛車点検中に代車として借りたハスラーを夕焼けの海辺で撮影。
シャープに描写しながらシャドウやハイライトもしっかり残す。作品の素材として撮影するときに使いこなせればとても頼りになります。
四万十川の赤鉄橋の夕陽。
逆光で撮影し、RAW現像時にハイライトを抑えて太陽や鉄橋のディテールを再現しています。
ダイナミックレンジに余裕のない初代E-M1ですが、無理なシャドウアップを行わなければ、レンズによるハレーションやフリンジが発生は抑えられています。
逆光でも安心んして使えるところは風景写真を撮影する写真家にとっては重要なポイントです。
E-M1 Mark2以降のセンサーであれば、もう少し余裕を持って現像も可能です。
M.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F2.8 PROでテレマクロ
最初のワーキングディスタンスと最短撮影距離のところで触れましたが、300mm相当の画角ながら70cmの距離で撮影できる為、マクロ機能はありませんがかなり寄れるレンズと言えます。
手持ちで少しピンを外していますが、山道の脇に生えていたゼンマイ(山菜)を撮影。
最短撮影距離付近でテレマクロ的な使用なら、ボケが不足するということはありません。
40-150mm F2.8 PROはテレコンMC-14装備時を含めて、オリンパスの被写界深度合成やブラケットに対応していますので、トレッキングなどでもミニ三脚などを持参しているだけで表現できる幅はかなり大きく広がります。
水辺などで光源があるなら、玉ボケを入れていくのも良いですね。
完全に開放で撮ると口径食もありますが、多少絞ればコントロールできます。
単焦点並みの解像力がありますが、ボケをウリにした単焦点レンズと比べると多少ボケが硬いことと、玉ボケの端が2重になりやすい面があります。
ズームレンズでありながら全体的にキレがよくボケも良い感じなので、花や動物などちょっとした接写ならかなり活躍できるレンズです。
田舎暮らしでモデルさんを雇ったり撮影会に出向くこともないので、現行のシステムに移行してからポートレートは撮る機会が少ない為、代わりに身近な動物の猫と妻をモデルに撮影。
2018年の春。少し太陽が傾いた頃、南国市の漁港付近の公園で出会った人馴れした野良猫です。
開放で撮りたくなるところですが、少し絞って膝から猫の足までにピンがくるよう撮影。
実際にモデルさんを撮影するなら60-70mm程度に抑えて、F2.8〜F4くらいで使うのが良いかな。
ただ、おそらく立体感と柔らかなボケを重視し始めると45mm F1.2 PROやLEICA DG NOCTICRON 42.5mm F1.2あたりが欲しくなるかも。
シャープに写るだけでなく、柔らかさも表現できるのが嬉しいところ。
宿毛市の大島で偶然出会った猫を撮影。
ある程度のワーキングディスタンスを確保できるなら、ペットや動物園などの撮影でも活躍します。
逆に甘えん坊の犬などは、ガンガン寄ってくるので近すぎで難しいかもしれません。
M.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F2.8 PROのスペック
焦点距離 40-150mm(35mm判換算80-300mm相当) レンズ構成 10群16枚(非球面EDレンズ1枚、非球面レンズ2枚、スーパーEDレンズ1枚、EDレンズ3枚、HDレンズ1枚) 防滴処理 保護等級1級(IPX1):弊社の防滴カメラと組み合わせたときに防滴性能を発揮します。
防塵設計。フォーカシング方式 ハイスピードイメージャAF(MSC) 画角 30° - 8.2° 最短撮影距離 0.7m 最大撮影倍率 0.21倍(35mm判換算0.42倍相当) 最近接撮影範囲 82 × 62mm 絞り羽枚数 9枚(円形絞り) 最大口径比 F2.8 最小口径比 F22 フィルターサイズ Ø72mm 大きさ 最大径×長さ Ø79.4×160mm 質量 760g(三脚座除く)/880g(三脚座含む) 同梱品 レンズキャップ(LC-72C)、レンズリアキャップ(LR-2)、レンズフード(LH-76)、レンズケース(LSC-1120)、取扱説明書、保証書
総評
M.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F2.8 PROは望遠だけでなく、テレマクロ的な使い方も可能で高画質かつ使い勝手の良いズームレンズです。
マイクロフォーサーズ使いの方で「普段から携帯できる軽量コンパクトさ」を重要視しない方。
例えばフィールドに持ち出すシステム全体で、フルサイズから1/2から3/2程度に軽量化し、コンパクトに収納できればと考える方であればオススメできるはずです。
EVF(電子ビューファインダー)なしのPENなど小型ボディ機では持て余すサイズ。
少し古いマイクロフォーサーズカメラなどでは解像力を活かしきれないシーンも目立ちます。
ただ、本格的に写真撮影を行うことを前提としたE-M1シリーズなど、グリップやファインダー付きのモデルであればレンズ性能を享受できるはずです。
コスパ重視の方には撮影される条件に左右されることが多いですが、家庭内での使用であれば少しオーバースペック。
しかし、日常的な撮影だけでなくトレッキングなどを含んだ撮影や作品作りを考える方なら、F2.8による表現幅のアップ、防滴防塵性能などもありコスパが良いと言えます。
メリット
・150mmの望遠端までキレの良い描写と解像力。
・ボケや明るさ重視でなければ単焦点に匹敵する切れ味。
・簡易マクロに使える最短撮影距離。
・逆光でもしっかり描写できる懐の深さ。
・35mmフルサイズの大三元レンズと比較するとボディ含めると半分程度の重量でシステムを構築できる。
・設定可能なファンクションボタンやマニュアルクラッチ機構など、カメラ任せでない撮影を行う際にも便利。
・専用フードが収納に便利。
・インナーフォーカスでズーム時に長さが変わらない為、撮影に集中できる。
・リニアモーター機構のフォーカスシステムが速くて静か。
デメリット
・小さくて軽いことを重視するユーザーには大きく重い(フルサイズ1眼レフの大三元標準ズーム並み)。
・価格がやや高く、常備して外出するには少し気を遣う。
・街でスナップするには少し目立つ(標準ズームレンズを装備した一眼レフと同じ程度)。
・単焦点と比べるとボケが少し固め
まとめ
300mm F2.8いわゆるサンニッパと呼ばれるオリンパスの大三元レンズ「M.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F2.8 PRO」。
望遠ズームとしてももちろん。マスターレンズとしてMC-20などのテレコンと組ませることで、40mm F2.8から600mm F5.6までをカバーしてしまうという汎用性の高さを持つ怪物レンズでもあります。
マイクロフォーサーズを気に入っている方で、本格的な写真を撮影したい。
キレのよりシャープな画質で作品を作りたいと考えている方であれば、ぜひ一度使ってみて欲しい名玉です。
OLYMPUS 望遠ズームレンズ ED 40-150mm F2.8 1.4X テレコンバーターキット 防塵 防滴 マイクロフォーサーズ...