こちらのページでは幡多十景のうち、高知県四万十市にある幡多十景、金刀比羅山を紹介していきます。
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幡多十景とは
幡多十景とは昭和28年(西暦1953年)11月16日、高知新聞社が主催となって読者投票で選定された高知県西部幡多エリアにある10の景観に優れたスポットです。
幡多十景についての情報とその他の幡多十景についてはこちらから
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幡多十景「昭和中期に選ばれた高知県西部の絶景」
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四万十市西土佐とは
高知県西部の中心都市で、高知市、南国市に次ぐ高知県第3の都市です。
中心街となる中村は平成の大合併により中村市だったエリアとなります。
中村の始まりは1468年(応仁2年)9月、応仁の乱で土佐に下った一条教房(いちじょう のりふさ)が、海路土佐に下向し、幡多荘に入ったことから始まります。
その後、幡多荘の中心となっていた中村に邸宅を構え、中村館、幡多御所などと呼ばれたことから、現代も四万十市の中村は土佐の小京都とよばれています。
1946年(昭和21年2月21日)の南海地震で市街地が被災したため、古い町並みは殆ど残っていませんが、大文字焼きなど色々な風習が残っています。
今回はそんな四万十市を流れる四万十川の中流域に位置する西土佐地区、旧江川崎にある幡多十景の金比羅山が舞台です。
四万十市の西土佐地区は2005年(平成17年)4月10日に中村市と合併し、四万十市が誕生する以前は西土佐村と呼ばれていました。
その西土佐村も更に昔、1958年(昭和33年)4月1日までは「 江川崎村」と「津大村」という2つの村が基盤となっています。
岩間沈下橋
四万十川の代名詞として有名な四万十川にかかる沈下橋。
そのなかでメディアなどでもよく紹介される四万十川中流域の「岩間沈下橋」も西土佐にあります。
取材時は岩間沈下橋は2017年11月11日に橋脚が沈んでしまっており、写真のように通行止めになっていました。
※令和3年7月現在は復旧して通行できるようになりました。
四万十市観光協会によるとこの岩間の沈下橋以外にも、多くの沈下橋で経年劣化が見られ、通行できない沈下橋が増えていたようです。
現在はほとんど復旧され、通行できるようになりました。
・岩間沈下橋 H29年11月11日より全面通行止め 令和年4月29日復旧しました
・三里沈下橋 H29年11月28日より全面通行止め 令和3年3月27日復旧しました
・勝間沈下橋 H29年12月4日より重量制限(車両総重量が4tを超える車両のみ通行止め)
・口屋内沈下橋 H22年8月より通行止めを継続中 令和年4月29日復旧しました
道の駅「よって西土佐」
地元の食材を楽しめる道の駅「よって西土佐」。
奥四万十の補給基地として最適です。
キャンプの際には買い出しの拠点としても良いでしょう。
金刀比羅山までの場所も確認することが可能です。
金刀比羅山はJR予土線の西ケ方駅(にしがほうえき)から、少し奥に入ったところにあります。
金刀比羅山の景色
石段から鳥居までの景色
金刀比羅山の入り口は少し分かりづらい場所なので、通り過ぎないように注意しましょう。
上の写真の小さなトンネルが入り口となっています。知らなければ通り過ぎてしまいそうですね。
予土線の線路下をくぐると正面に手水舎(ちょうずや)があります。
※車用の駐車場はないので西ヶ方駅(にしがほうえき)から徒歩15〜20分から歩くか、少し広くなっているところに通行する車の邪魔にならないよう注意して駐車してください。
手水舎から右を見ると、参道の階段があります。
少し急なので、足の弱い方には辛いかも知れません。
香川県琴平の金比羅のような長い階段ではありませんので、少し我慢して登りましょう。
ちなみに写真の左側にあるパイプは手すりですが、右は荷物の運搬用の索道(リフト)のレールになっています。
最初の石段を登りきった横に予土線のレールが走っていました。
ホビートレインなども間近で見ることができます。
昔話に出てくるような、非常に雰囲気のある鳥居です。
香川県の金刀比羅宮ほどの段数はありませんが、なかなか急な石段が続いています。
距離は短いのでもう少し頑張りましょう。
周囲には紅葉の木もあり、秋に訪れてみると違った景色を楽しめると思います。
上段の鳥居から本殿までの景色
石段を登りきったところにある、最後の鳥居です。
ここをくぐって右を見ると本殿があります。
上段の鳥居を抜けると急に開けており、鎮座している歴史ある本殿。
どことなく本家の金毘羅宮(琴平)の雰囲気が漂うのはお祭りしている神様の纏う雰囲気なのかは定かではありません。
祭事の際にはたくさんの人が訪れるのでしょう。
かなり古い建物のようですが、手入れは行われているようです。
本殿の周囲にも紅葉があります。
幡多十景のなかでは開けた絶景という感じではなく、独特の雰囲気を纏ったパワースポットといった感じの絶景です。
昔話や神話、最近風にいうと和風ファンタジーの異世界感のあるスポットです。
西土佐の金刀比羅山(本殿奥の社)
本殿より右手に見える鳥居から直進すると、裏手の山を1周し、左の小さな石段から戻ってくるルートがあり、道中に小さな社が2つ祀られています。
こちらが奥の院となっています。
せっかく訪れたなら、こちらも参拝しておきたいですね。
本殿までの参道と違い、自然の石を簡単に組んだような意外と急な階段です。
下りも急なので、足を滑らせないよう気をつけて降りましょう。
天正年間の勧請といわれ其の昔当唐岩山に明滅する不思議な光と山鳴りにもにた太鼓の音に驚いた村人が、金刀比羅宮を勧請祭祠したものといわれる。
その景観は、幡多十景の一つに数えられ、苔むす老松と奇岩にて作られた美しさは、一幅の絵のようである。
更に奇岩の間には、奈落に通ずる風穴や巨岩の中腹より、霊泉の湧き出ずるもあり、又奥の院の洞窟には、自然石と思われる仏像も安置され、厳かな神域をなしている。
文政、天保の頃作られた数多くの石灯籠や百米余りの石段は当時遠近の参拝者による奉仕や、浄財により作られたものと伝えられている。西土佐村教育委員会 西土佐村文化財保護審議会より
金刀比羅山までのアクセス
・予土線の江川崎駅から国道381号線経由、車で10分ほど。
・予土線の西ヶ方駅(にしがほうえき)から徒歩15〜20分ほど。
その他の幡多十景との位置関係はこちら
おまけ「予土線江川崎・西ケ方駅間のアーチ橋」
さて、せっかく西ヶ方駅まできたので、予土線のアーチ橋(メガネ橋)を見ていくことにしましょう。
現役で使われているアーチ橋(メガネ橋)です。
初代新幹線0系をイメージした観光列車「鉄道ホビートレイン」も走りますので、鉄道ファンの方にもオススメですよ。
まとめ
圧倒的な絶景というわけではありませんが、日本の田舎らしいエキゾチックな景色を楽しみながら回る旅も趣があります。
夏休みの家族旅行のついでに訪れてみるというのも、旅の思い出に小さな冒険を加えることができますね。
西土佐周辺でキャンプなどの予定があるなら、キャンプ場を拠点にサイクリングで立ち寄ってみたり、ツーリングついでに立ち寄るなどもプランもおすすめですよ。
皆さんも西土佐を訪れた際に幡多十景を思い出したら、ぜひ参拝してみてください。
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幡多十景「昭和中期に選ばれた高知県西部の絶景」
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