こちらのページでは幡多十景のうち、高知県高岡郡四万十町下津井にある幡多十景、下津井渓谷を紹介していきます。
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幡多十景とは
幡多十景とは昭和28年(西暦1953年)11月16日、高知新聞社が主催となって読者投票で選定された高知県西部幡多エリアにある10の景観に優れたスポットです。
幡多十景についての情報とその他の幡多十景についてはこちらから
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幡多十景「昭和中期に選ばれた高知県西部の絶景」
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四万十町の旧大正町エリアってどんなところ
下津井渓谷のある高岡郡四万十町は幡多十景の選定された昭和28年(西暦1953年)には幡多郡大正町でした。
しかし、2006年(平成18年)3月20日、周辺の十和村、高岡郡窪川町と合併し、現在は高岡郡四万十町となっています。
そういったことから、今新たに幡多十景を選出する場合、幡多エリアから外れてしまうかも知れないスポットでもあります。
大正町は山間を流れる四万十川の第1支流「梼原川」が四万十川と合流する少し手前のエリアで、下流に昭和19年(1944年)に完成した津賀ダムがあります。
緩やかに流れる渓流と深い山の景色が印象的です。
ダム湖では夏場にホタルが見られたり、近隣にはバードウォッチャーに人気の珍しい鳥が多く生息していたりする自然の宝庫です。
下津井渓谷とは
四万十川(渡川)の最大支流となる檮原川にある渓谷です。
旧大正町となる更に前には下津井村という地名であったそうです。
現在は昭和19年(1944年)に完成した津賀ダムがあり、ダム湖の少し上流には林業が活発だった時代に使用されていた森林鉄道の軌道橋佐川橋(めがね橋)があります。
私が2018年5月に訪れた際、四万十市から酷道としても有名な国道439号を走ってきたこともあって、杓子坂で大幅に時間を使ってしまった為、うっかりダムの撮影を失念しており写真はありません。
昭和19年(太平洋戦争末期)に本土決戦のための電源確保の為に建設された、発電用重力式コンクリートダムだそうです。
少し渋めのデザインはダムファンの方に人気だとか。
また、下津井渓谷はホタルの多い場所で、6月には「ほたる祭り」が開催され、ホタル遊覧船も運行されます。
数百のホタルが乱舞し、静かな水面にも映り込む神秘的な風景に出会えるという、日本有数のホタルスポットです。
周辺には7kmほどのウォーキングトレイルも整備されており、下津井ヘルスセンター(下津井温泉)もあります。
バードウォッチングにも最適な豊かな自然環境
大自然のなかでウォーキングやバードウォッチング、星空ウォッチを楽しむなど、都会の喧騒から離れたい方にはピッタリの場所だと言えます。
私が訪れたときにもブッポウソウが現れていたらしく、キヤノンの白い大砲レンズを構えた方が、数名来られていて鉄橋からしきりに撮影を行っていました。
一応、撮影しましたが、12-40mm(35mm換算24-80mm)の標準レンズしか持っていなかったため、等倍でもゴマ粒のような感じでしか撮れませんでした。
バッドウォッチャーの方によると木の枝にとまっている2羽の野鳥がブッポウソウだそうです。
こういうシチュエーションでは大口径の超望遠レンズが欲しいですね。
写真好きにもオススメの下津井眼鏡橋(佐川橋)
ダム湖の少し上流にあるに佐川橋。
水面に映る橋がちょうど眼鏡のように見えることから、「下津井めがね橋」とよばれるアーチ橋です。
橋の歴史は昭和の初め、奥の佐川山から切り出した木材を麓の大正町まで運ぶため、森林鉄道の軌道が橋の橋脚部を走っていました。
その軌道が先述した昭和19年(1944年)に完成した津賀ダム建設の影響もあって、そのまま使用することが難しくなり、当時の営林署の技術を駆使してこの橋を作り、軌道を上に逃がしたのが始まりです。
橋の下を流れるのは梼原川にそそぐ小さな支流「払川」。
当時の森林鉄道の軌道あとは現在、ウォーキングトレイルとして整備されておりますので、興味のある方はそちらも歩いてみることをオススメします。
下津井渓谷までのアクセス
・JR土佐大正駅より車で約40分。
※一部狭路もあるため、運転には十分注意してください。
国道381号線は走りやすい道ですが、439号線についてはやや狭い道となります。
四万十市側からのアクセスされる場合、主要幹線道路となる国道56号線で四万十町窪川方面に走りアクセスするルート以外に、中村の街を起点とする国道439号を走り、旧大正町にアクセスする方法があります。
しかし、中村の街を起点とする国道439号は途中かなり狭くなっており、通行に時間がかかる道ですので、田舎の山道を走り慣れていない方は国道56号線から国道381号線のルートをお勧めします。
特に夜間は動物の飛び出しなども多くなりますので、できるだけ余裕を持って走るようにしましょう。
その他の幡多十景との位置関係はこちら
おまけ 酷道こと国道439号線・杓子坂
中村のから国道439号は四万十市の大用(おおゆう)までは快適なのですが、大用を抜けて日村天神社の先から一気に狭くなり、杓子坂(しゃしくしざか)という峠は酷道としても名を馳せた非常に狭いブラインドコーナーが続くワインディングロードとなっています。
全線舗装路ではありますが、ガードレールのない山岳コースはスリル満点です。
走行注意:現在も生活道として使用されています。
通行する車だけでなく、落石や倒木、ブラインドコーナー、野生動物、苔むした路面などがありますので、速度は控えめに安全運転に努めましょう。
幡多十景「下津井渓谷」、夏休みのレジャーだけでなく、秋の紅葉時期にも楽しめる山間の渓谷です。
クラシカルな「めがね橋」を渡りながら歴史を感じるもよし、
いつもとは違ったドライブ&ツーリングルートとして、野鳥の鳴き声を聴きながら、川のせせらぎに耳を傾けたりするもよし、日常から離れた景色を楽しむにはもってこいのスポットです。
バイクツーリングの方などには国道439号で梼原川を遡れば、四国カルストにも近いという立地も嬉しいですね。
国道439号は狭いといっても、下津井から梼原町・津野町側は杓子坂付近と比べると比較的走りやすく、125ccの小型2輪やオフロードバイクのような小回りのきく車体ならそれほど苦労するようなルートではないので、チャレンジしてみるのも良いでしょう。
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